文章で見たい方はこちら

 

 

 

 

こんにちはカナイです。

 

今回のテーマはベーシックインカムのメリットと

日本で導入が進まない理由です。

 

ベーシックインカムとは、

無条件で、すべての国民に毎月一定額のお金を支給する制度のことです。

 

僕は個人的に、このベーシックインカム、やってほしいなと思ってます。

 

今回はベーシックインカムのメリットに加えて、

日本でなかなか導入が進まない理由について考察していきます。

ではいきましょう。

 

「福祉はいらない。直接お金を与えればいい。」ー ルドガーブレグマン

 

 

・ベーシックインカムのメリット

 

 

ベーシックインカムを導入するうえでよく言われるのが、

 

ただお金を配れば、

多くの人が働かなくなり

怠けてしまうのではないか、という問題です。

 

これを確かめるために、世界各地で様々な実験が行われました。

 

ロンドンの実験では

被験者となった13人のホームレス男性に

対して年3000ポンド(約55万円)を支給し

使い道も各自の判断に任せました。

 

 

1年後に彼らを調べると、

13人のうち9人がホームレス生活から屋根のある生活をするようになり

全員がセミナーを受けて何かを勉強したり、病気を治したり、家族を訪ねたりして、成長や

努力に時間を割くようになりました。

また、彼らは3000ポンドのうち、平均で800ポンドしか使っていませんでした。

 

貧乏人にお金を与えても、どうせ浪費するだけとか、

フリーマネーは人をだらしなくするといった偏見がありますが

 

実際には、お金をあたえられた貧乏な人々は、

浪費をせず、努力や成長にお金を

使うようになり、収入が増えました。

 

国がホームレス対策に使っていた

お金も必要なくなりました。

 

 

ケニアやウガンダでもフリーマネーが収入増加をもたらすことが明らかになっています。

2008年、ウガンダ政府は16歳~35歳の1万2000人に月400ドルを配ります。

 

その5年後、お金を与えられた人々は教育やビジネスに投資し、結果として

収入は50%増え、雇用率は60%超増えていました。

 

リベリアでは

アルコール中毒者や麻薬中毒者、軽犯罪者などに

に200ドルを与える実験が行われました。

 

その結果、彼らはそのお金を食料や衣服、内服薬、小規模ビジネスなどに使用したんです。

中毒者や犯罪者でさえ、フリーマネーを無駄遣いすることはしません。

 

 

本当にお金を必要としている貧困の人々は、

お金を与えられれば、浪費せずに、”本当に必要なものにだけ”

お金を使うようになるんです。

 

そして、以前より仕事に精を出し、

積極的でポジティブな生き方ができるようになります。

 

 

フリーマネーは人は怠惰(たいだ)にはしません。

 

 

また、カナダで行われた「ミンカム」という

世界最大規模のベーシックインカム実験では、

 

合計で8300万ドルに相当する費用が当てられ、

人口1万3000人の小さな町、ドーフィンを実験地域とし、

町の住民1000世帯に対して毎日一定のお金を支給しました。

 

その結果、

結婚年齢は遅くなり、出生率が下がり、

また学業成績が向上。

労働時間の減少は1%~5%ほどで、女性の育児休暇取得率は増え、

患者の入院期間は8.5%も減少し、メンタルヘルスに悩む人も減りました。

 

政策に反対していた人は、人々にただでお金を配れば、

多くの人が仕事を辞めてしまうのでは?と心配していましたが、

離職率が増えることはなく、むしろ減りました。

 

ベーシックインカムによって町の住民は、より自由で健康的な暮らしができるようになったんです。

 

またそれ以外の研究によっても

フリーマネーの支給が犯罪、栄養失調、10代の妊娠、精神病、無断欠席

の減少につながり、学校の成績の向上や経済成長、男女平等の改善

をもたらすことがわかっています。

 

フリーマネーは人を怠惰にするどころか、人が

自由で健康的で安心な暮らしをするためには必要なものなんです。

 

 

 

・貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる

 

 

貧困状態にある人は、精神状態が悪化して自暴自棄になり、長期的な視野を失います。

結果として目の前のことしか考えられなくなり、愚かな判断をしがちになります。

 

また、貧しい人ほど犯罪を犯しやすく、肥満になりやすく、

喫煙量や飲酒量が多く、運動不足で不健康なことがわかっています。

 

「貧困がIQを下げるのではなく、もともとIQの低い人が貧困になっているだけでは?」

 

 

という偏見もありますが、それは違います。

IQが高い人であっても、仕事を失い、貧困になることはあるし、

頭の良い人であっても、貧困になればIQは下がります。

 

 

「自分が努力しないから貧困になっているだけ、自動自得。」

 

といった意見もありますが、

 

世の中には、自力ではどうしても貧困から抜け出せない人もいます。

 

私たちが普段受けている教育や、得ている情報に、もしも何の効果もないとしたら

教育や情報を得ただけでは、貧困から抜け出すことはできません。

 

教育や情報は、直接お金を与えてくれるわけではないので、お金を

得るためには、自分で働くなり、起業するなり、行動を起こさないといけません。

 

そのためには、社会が求めていることに答える能力が必須になります。

つまり社会が求めていることができない人は、必然的に貧困になってしまいます。

 

僕は、社会が求めていることができない人であっても、お金を得る権利があると思います。

 

なぜならお金が人間の生死を決めるのはおかしいと思うからです。

 

 

 

・ホームレスを救うとみんなが得をする

 

 

アメリカのユタ州では、路上生活者に対して、無償でアパートとカウンセリングを提供しています。

 

州の経済学者は、路上生活者は政府に1人当たり年間1万6670ドル(社会福祉課、警察、法廷等の費用)

の負担をかけていると算定しました。

 

これに対して、路上生活者のアパート代とカウンセリング代の合計は1万1000ドルです。

 

路上生活者を野放しにしておくよりも、住処を与えた方が、

政府も経済的に得をするし、路上生活者も成長できるし、町の衛生環境も良くなることで、

住民も得をします。

 

オランダでも同様に、ホームレスに対して、無料の家とカウンセリングを提供したことで、

路上生活者が起こす問題の65%が解消、薬物使用は半減し、人々の精神面と健康が改善されました。

 

 

ホームレスと聞くと、自分には関係ないと思うかもしれませんが、

 

現在の日本では、若者の貧困率が上昇していたり、AI化、機械化によって人が要らなくなっており、

将来的には、仕事がない貧困の若者が大量に出てくるかもしれません。

 

そうなったとき、ベーシックインカムは日本で必要になってくると僕は思います。

 

 

 

日本で導入が進まない理由

 

 

ここまでを踏まえて、ではなぜ日本でベーシックインカムの導入が進まないんでしょうか?

理由は3つあります。

 

 

1.そもそも財源がない

 

ベーシックインカムを進めるうえで、まず問題になるのが、

 

全国民に配るのか、それとも、貧しい一部の人に配るのかということです。

 

仮に全国民に配る場合、日本には財源がありません。

 

日本は現在、少子高齢化を起因とした、財源の圧迫に悩まされています。

 

社会保障費の支出の多くが、医療や福祉、年金につかわれています。

社会保障費の多くは、働いている現役世代から徴収することになるので、

高齢者が多く、働く人の少ない日本では、財源が圧迫されることは免れません。

 

日本には、ベーシックインカムで全国民にフリーマネーを配るための

財源がないんです。

 

 

2.働く人々からの反対

 

 

全国民に配るのが無理なら、貧しい人にだけ配ればいいのでは?と思うかも

しれませんが、その場合、一生懸命働く人々からの反対を受けることになります。

 

働いている人からすれば

「働かない人がタダでお金をもらえるなんてズルい」

と感じるからです。

 

働く人々からの強い反対がある限り、

貧困の人々だけに、フリーマネーを配るのは無理なんです。

 

 

3.誰もが働ける環境だから

 

日本では基本的に、全ての人が教育を受けられるため

大半の人が、働きたいと思えば、いつでも働ける環境にいます。

 

そのため、「お金は働いて稼ぐのが当たり前」という常識が

定着していて、「お金のない人=働いていないだらしない人」という偏見を持っている人が多いです。

 

フリーマネーはもともと、極度の貧困状態にあり、働きたいと思っても

働けない人のためのものなので、

日本のように、「働きたいと思えば、いつでも働ける環境」の国では

大半の人が、必要ないと感じてしまい、結果として導入が進まないんです。

 

 

 

では今回は以上になります。じゃあね