「グンソクさん、本当にここでいいんですか?」
車から降りようとした俺に、石川マネが声をかける。
「うん、いいよ。打ち合わせ場所へは、そこを右に曲がったほうが行きやすいだろ?事務所はもうすぐそこだから歩いて行くよ。」
「そうですか?すみません……では、ここで失礼します。」
申し訳なさそうにそう言った石川マネが再び車を発進させる。
俺はその車を見送ると、事務所に向かってゆっくりと歩き出した。
(風が結構冷たいな……もっと厚着してくればよかったかも。)
吹きつける真冬の風に思わず身震いした俺は、ジャケットのポケットに両手を突っ込む。
そしてデパートのショーウィンドウに飾られていたディスプレイが視界に入ると、あることに気が付いた。
(あれ?……もしかして今日って、バレンタインデーか?)
そう。今日は2月14日。
好きな男性に女性がチョコレートを贈るバレンタインデーだ。
毎年この日には、うなぎたちやスタッフから数えきれないほどのチョコレートを貰う俺だったが……ある女性からは俺が求めているチョコレートをくれたことは1度もなかった。
(きっとアイツは今年も義理チョコしかくれないんだろうな……)
なんとなくそう思った俺は軽いため息をつくと、歩くスピードを少し上げた。
すると歩道の真ん中で佇んでいるひとりの女性に目が止まる。
見覚えのあるその後ろ姿は、まさしく俺が求めているチョコレートをくれない当の本人だった。
「○○?こんなとこで突っ立って何してんの?」
声をかけると彼女は、こっちをゆっくりと振り返った。
「あ、グンソクさん……おはようございます。」
「うん、おはよ。あ~今日も寒いな~。早く事務所入ろうぜ……って、あれ?」
彼女の横に並んだ俺は、その黒いフワフワのコートに目が止まった。
「どうかしましたか?」
「いや、何か今日の○○の服……ずいぶん暖かそうなやつ着てんじゃん。」
「あ、これですか?そうなんです、すっごく暖かいんですよ」
少し照れながらコートを買ったいきさつを説明してくれた彼女に、俺はあることを思いつく。
「ふぅーん……俺も確かめていい?」
「確かめる?何をですか?」
「そのコートの肌触り。」
「ああ、いいですよ。どうぞ。」
「違う、そうじゃない……こうだ!」
「へ?きゃあっ!!」
差し出された腕を無視した俺は、彼女を後ろから思いっきり抱きしめた。
そして、すっごく暖かいというそのファーコートに、自分の顔をグリグリと押し付けたのだ。
「ちょっ!グンソクさん?!何してるんですか?!」
「だから肌触りを確認してるんじゃん。ん~確かに気持ちいいな……」
「そ、そんなことしなくても確認出来るじゃないですか!離してください!」
「ヤだ。気持ちいいから、このまま事務所まで行く。」
「ええっ?!ちょっと、それは……お、お願いだから離れてください!」
「だから、ヤだって言ってんじゃん。ククク……諦めて大人しくしてろ。」
何とか離れようと抵抗する○○に対して、俺はさらに抱きしめている腕に力を込める。
すると観念したのか○○は次第に大人しくなっていった。
(あ、いい匂い……)
ふと鼻先を掠めた甘い匂いに、俺は少しドキッとする。
(○○をハグすると、いつもいい匂いがするんだよな……何の匂いだろ……)
気になった俺は、○○の首筋に鼻先を近付ける。
すると○○がビクッと肩を揺らした。
「ぐ、グンソクさん……くすぐったいです。」
「ん?ああ、ごめん。……ねぇ○○って香水つけてる?」
「え?い、いえ……何もつけてませんけど……」
「そうなの?じゃあ、このいい匂いはなんだろ?シャンプーかな?」
クンクンと再び顔を近付けようとする俺に、○○がまた抵抗を始める。
「わ、わかりませんけど、とにかくもう離してください~!」
勝てないとわかってるくせに、○○はいつもこうやって俺に抵抗する。
それがまた可愛くて、余計に構いたくなってしまう事を○○は全然わかってない。
「い、いい加減にしないと、セクハラで訴えますよ!?」
ついには、そんなことを言ってきた○○に、俺は静かに抗議した。
「セクハラ?セクハラってのは、相手が嫌な思いをしたらの話でしょ?○○は俺に、こういうことされるの嫌なの?」
「えっ?!」
俺の腕から何とか逃れようと暴れていた○○の動きがピタリと止まる。
「そ、それは、その……」
「………」
「嫌では……ないですけど……」
「………」
(……嫌じゃないんだ……)
○○の言葉にホッと安堵した俺は、彼女をさらにギュッと抱きしめた。
「よかった~!じゃあこれからも、たくさんハグしてもいいってことだよね?」
「は?!な、何でそうなるんですか!ダメですよ!」
「何で?嫌じゃないんでしょ?」
「そ、そうですけど、誰がどこで見てるかわからないんですよ?グンソクさんのイメージダウンにもなりかねませんから、こういうことをむやみにやるのはやめてください!」
急にマネージャーらしいことを言い放った○○に、俺は思わずプッと吹き出す。
(そんな心配しなくても、こんな事するのは○○だけなんだけどなぁ……)
そう……俺がこの世で、唯一触れたいと思ってる女性は○○ただひとりだ。
彼女は5年ほど前から俺の事務所でアシスタントマネージャーとして働いているのだが、いつからか俺は○○の存在が気になって仕方なかった。
そして彼女を仕事上の関係だけではなく、ひとりの女性として好きだと意識するようになってから、もう数年はたっている。
(そろそろ2人の関係を進展させたい気もするけど……)
そうは思うものの、俺はなかなか1歩を踏み出せないでいた。
(だって、もしフラれたら立ち直れないし……そもそも○○は俺のことどう思ってるのかな……)
抱きしめていた手を緩めると、俺は静かに呟く。
「……○○。」
「は、はい。」
「あのさ……○○は俺のこと……」
「はい?」
「いや、えっと、だからその……」
「?」
彼女の本心を聞いてみたい。
だけどやっぱり、ハッキリとそれを聞くのはちょっと怖かった。
「……ありがとう。」
「え?」
「いつも俺のそばにいてくれて……ありがとう。」
俺の言葉に○○が驚いたように振り返る。
「○○にはいつも感謝してるよ。日本で活動するときは、一緒にいてくれて俺を支えてくれて……本当にありがとう。」
彼女の本心を聞くのをやめて、俺は自分がいつも思っていることを○○に伝える。
すると○○は慌てたように首を横に振った。
「な、何言ってるんですか!私はグンソクさんのマネージャーなんですから、支えるのは当然のことです!し、仕事なんだから当たり前ですよ!」
「………」
(仕事なんだから当たり前……か……)
その言葉に、ほんの少しだけ悲しくなる。
「うん。わかってる。わかってるけど……それでも言いたかったんだ。」
俺は乱れていた○○の髪にそっと触れると言葉を続けた。
「これから先もずっと……俺のそばにいてくれる?」
「え?」
「俺と一緒に進むこと絶対後悔させないから。だから……これから先もずっと、俺のそばにいてよ。」
「………」
(仕事だけじゃなくて、人生のパートナーとしてもずっと……)
○○は俺から視線をそらすと、しばらく黙って考え込んでいたが……
コクリと頷いてくれたことに、俺はホッと胸を撫で下ろすのだった。
「うーん……」
今日1日の仕事を終えた俺は、考えごとをしながら事務所の廊下を歩いていた。
(さっき○○は俺の言葉に頷いてくれたけど、あれって本当にちゃんと俺の気持ち伝わってたのかな……?)
今朝の会話を思い出しながら改めて考えてみると、イマイチ自信がない……と言うか、不安な気持ちが残っていた。
(鈍感な○○のことだから、たぶんちゃんと伝わってないだろうな……ていうか、そもそも俺は何であのとき、あんなこと言っちゃったんだ?)
廊下を真っ直ぐ進みながら、俺は今朝○○に言った言葉を思い出す。
『俺と一緒に進むこと絶対後悔させないから。だから……これから先もずっと、俺のそばにいてよ。』
「………」
(これ、完全に告白しちゃってるよな……)
自然と口から出てしまった言葉とはいえ、つい言ってしまった告白まがいのことに、自分自身後悔してもしきれない。
(いや……でもこれは、いい機会かもしれない。彼女の気持ちを知るのは正直怖いけど……このままあやふやにはしないで、○○に俺の気持ちをちゃんと伝えよう。)
そう決心した俺は、○○を呼び出した仮眠室に向かって足を早めた。
仮眠室に入ると、○○はすでに部屋で待っていた。
「あ、グンソクさん……お、お疲れ様です。」
「うん、お疲れ。はぁ~今日も頑張って働いたな~」
軽く伸びをしてベッドに横になった俺は彼女に向かって声をかける。
「○○も疲れたでしょ?一緒に寝る?」
「いえ、大丈夫です。それよりあの……私もグンソクさんに話したいことがあるんですけど……」
俺の甘い誘いをバッサリと断った○○は、何やらカバンから小さい箱を取り出すと、ベッドの枕元にそれを置いた。
(ん?これは……?)
「今日はバレンタインデーなので、チョコレートを作ってきました。」
(えっ?チョコレート?!)
「え?○○の手作り?いつも市販のいかにもな義理チョコしかくれなかったのに?」
驚いた俺はその箱をまじまじと見つめる。
(手作りって……○○が俺に手作りのチョコレートをくれるなんて初めてじゃん……!)
思いがけないプレゼントに嬉しさが込み上げたそのとき、○○はさらに驚くことを口にした。
「私……今日で事務所を辞めることにしました。」
「は?!」
全く予想だにしていなかった彼女の言葉に、俺はガバッとベッドから起き上がる。
「今日で辞める?なんで?そんなの俺、聞いてないけど?」
俺の質問に○○はうつ向いたまま静かに答えた。
「……急にこんなことを言って申し訳ありません。でも……もう決めたんです。グンソクさんのマネージャーとして働くのは今日が最後です。」
「………」
(いやいやいや……)
まさかの言葉に俺の頭は混乱する。
(ここを辞める?何で?だって今朝だってそんなこと一言も言ってなかったよな?)
動揺を隠すように俺は静かに口を開く。
「……理由は?何で?辞めるの?」
「それは……グンソクさんのことが好きだからです。」
「……え?」
「グンソクさんのことが好き過ぎて、一緒にいるのが辛いんです。だからもう辞めます。」
○○の言葉に俺の頭はさらに混乱する。
(……え?好き?○○が?俺を?)
好きな相手から好きだと言われ、一瞬喜んだものの……
それがなぜ事務所を辞めることに繋がるのか、理解が出来ない。
「ちょっと待って、意味わかんないんだけど?俺のことが好きなのに俺から離れるってどういうこと?」
「だから言ってるじゃないですか。もう辛いんです……例えどんなにグンソクさんのことが好きでも、この恋が実ることは一生ありません。だから、最後にグンソクさんに自分の気持ちを伝えて事務所を辞めようと決心してきたんです。」
「………」
(えーっと、それって、つまり……)
混乱する頭の中で、俺は必死に○○の言葉を復唱する。
(○○は俺のことが好きだけど、俺が○○を好きになることはないと思ってるわけで……俺とは恋愛関係になれるわけがないから事務所を辞めるってことか?)
ひとつの結論に達した俺は、ふーっと大きく息を吐いた。
(なんだよそれ……勝手に決めるなよ……もしそうだって言うならそんなの……)
「そんなの納得出来ない。」
キッパリとそう言った俺に、○○はすぐに口を開く。
「でも私は……!」
「さっき俺、言ったよね?これから先もずっとそばにいてほしいって。○○も頷いてくれたじゃん。」
俺の言葉に○○は一瞬迷うように目を伏せた。
「それは……仕事のパートナーとしてでも、そう言ってくれたことが嬉しかったから、つい……」
(ああ、やっぱりな……)
「仕事だけじゃないし。俺は人生のパートナーとしても、ずっと一緒にいてほしいって意味で言ったんだけど?」
「……え?」
俺は○○の前に立つと柔らかく微笑んだ。
「……辞めるなよ。○○に辞められたら俺が困る。○○にはこれから先もずっと、俺だけを見ていてほしいんだ。」
自分の気持ちを改めて彼女に伝えると、○○は驚いたように目を見開いた。
「ていうか、お互い好き同士なんだから、もう俺から離れる必要もないでしょ?」
この言葉にずっと固まっていた○○が、ハッとしたように俺から少し距離を取った。
「好き同士って……グンソクさんが私なんかを好きってことですか……?そんなの……そんなのあり得ないです……!」
ブンブンと首を横に振りながら、○○がさらに後ずさる。
「何であり得ないの?ていうか、俺今までに結構○○に好きアピールしてたけど?全然気付いてなかったの?」
(そうだとしたら、鈍感にもほどがあるけど……)
「アピールって……もしかして、しょっちゅう私にちょっかい出してきたり、抱きついてきたりしてたことですか?」
「そうだよ。わかってるじゃん。」
「あれって好きアピールだったんですか?てっきり誰にでもしてるものかと……」
(いやいや、そんなわけないでしょ。どんな男だと思われてんのよ俺……)
「あのね。何とも思ってない女性に軽々しく抱きつくほど、いい加減な男じゃないから俺。」
少し拗ねながらそう言った俺は、○○の手をギュッと握った。
「こんな風に触りたいと思うのは○○だけだから。」
「………」
「俺の気持ち信じてくれた?」
「信じられません……グンソクさんが私なんかを好きだなんて、そんなの……」
○○は信じてくれるどころか首を横に振ると、握っていた手を引っ込めようとした。
(まだ信じてくれないか……それなら……)
引っ込めようとするその手をさらに強く握った俺は、そのまま自分の方へと引き寄せる。
そして胸の中に彼女をしっかり閉じ込めると耳元でそっと囁いた。
「俺は○○が好きだ。世界中の誰よりも、お前のことが好きだ。だから……許可してくれないか?」
「………」
○○はそっと顔を上げると不思議そうに上目遣いで俺を見る。
(許可って何の許可だって顔してるな……)
俺はフッと笑うと○○を真っ直ぐに見つめた。
「俺が○○のことを好きになる許可。」
「……!!」
「○○が許可してくれたら、俺も許可してやる。」
顔を真っ赤にした○○が小さな声で呟く。
「な、なにを……?」
「もちろん、○○が俺のことを好きになる許可だよ。」
得意気にそう言った俺は、抱きしめていた腕を緩めると、そっと彼女の頬に手を添えた。
「まぁ俺のほうは、とっくの昔に許可してるけどな。」
クククと笑いながら、もう片方の手も彼女の柔らかい頬に添える。
そしてゆっくり顔を近付けると……鼻先が触れる手前で俺はピタリと動きを止めた。
「……で?許可してくれるの?くれないの?」
「………」
俺の質問に○○は小さな声で答える。
「……許可……します……」
恥ずかしそうにそう言った彼女が可愛すぎて、俺は迷わずその唇を自分の唇で塞いだ。
(ああ、よかった……俺たちやっと思いが通じ合えたんだな……)
大好きな彼女とようやく結ばれた嬉しさが全身を駆け巡る。
だけどそれと同時に、長年片思いをさせられたことが、なんとなく悔しくもあった。
(ったく、○○のくせに俺をこんなに悩ませやがって……)
一瞬唇を離した俺は、低い声でハッキリと呟く。
「浮気したらカバヤキだからな。」
思わずそんなことを口にした俺に○○は何か言いたげだったが、その唇を俺はまたすぐに塞いだ。
「んっ……グンソクさんっ……」
繰り返されるキス攻撃から逃れるように、○○が俺の胸を強く押した。
「こ、こんなところで誰か来たらどうするんですか……ダメですよっ……」
「なんで?別にいいじゃん。俺は全然気にしないけど?」
「わ、私は気にします!だからもうやめてください!」
顔を真っ赤にした○○はそう反論しながら俺から距離を取った。
(そんな風に逃げられると、余計捕まえたくなるんだけど……)
フッと笑った俺は、また抱きしめたくなる衝動を何とか抑えてソファーに腰を降ろした。
そして隣に座るよう促しながら、ずっと聞きたかったことを聞いてみた。
「わかった、やめるよ。その代わり聞いてもいい?」
「は、はい。何ですか?」
「○○はいつから俺のこと好きだったの?」
「え?えーっと、それは……」
俺の質問に○○は考えるように少し黙ると、隣にストンと座った。
「ハッキリとした時期は覚えてないんですけど……気付いたら好きになってました。」
俺とは視線を合わさずに、彼女は恥ずかしそうにそう答えた。
「気付いたらって最近のこと?それともマネージャーになってすぐ?」
「さ、最近ではないです。すぐってわけでもないんですけど、少なくともグンソクさんを好きになってから数年はたってると思います……」
「………」
(マジか……全然気付かなかった……)
まさかの○○の答えに俺は驚きを隠せない。
「数年ってマジで?全然気付かなかったんだけど……ちゃんと俺に好きアピールしてくれてた?」
俺の言葉に今度は○○が驚いたような顔をした。
「そ、そんなのするわけないじゃないですか!アピールどころか、自分の気持ちを隠すのに必死だったんですから!」
○○は慌てたように早口でそう言うと、勢いよくブンブンと首を横に振る。
それを聞いた俺は、ほんの少しだけ胸が苦しくなった。
(……ずっと隠してたのか……好きな相手になかなか自分の気持ちが通じないのも辛いけど、気付かれないようにずっと隠し通すのも辛かっただろうな……)
そんなことを考えていると、今度は○○が俺に質問をしてきた。
「あ、あの……私も聞いていいですか?」
「ん?いいよ、何?」
「グンソクさんは……いつから私のことが好きだったんですか?」
「俺?俺は……」
おずおずと質問する○○の頭をそっと撫でると、優しく微笑んで言葉を続ける。
「俺も○○と同じだよ。最初は何とも思ってなかったのに、だんだん目が離せなくなってて……気付いたら好きになってた。」
真っ直ぐに彼女を見つめながら自分の気持ちを伝えると、俺はまた○○の頬を両手で包んだ。
「俺たち、ずっと前からとっくに両思いだったんだな……それなのに、お互い何年も片思いしてたとか……なんかスゲー損した気分。」
ククッと笑った俺は、両手で包んだ彼女の顔を少しだけ強引に上を向かせる。
「ぐ、グンソクさん?さっきもうキスはやめるって……」
「うるさい。」
「で、でも……!」
「……今日からはちゃんとアピールしろよ。」
「え?」
「もう自分の気持ちを隠す必要はないんだから、今日からは俺のことが好きだって、ちゃんとアピールしろって言ってんの。」
「………」
「もちろん俺も、今まで以上に○○に好きアピールしまくるけどね。」
ニヤリと笑いながら俺はゆっくりと彼女に顔を寄せる。
「……これ以上アピールされたら、ドキドキし過ぎて死んじゃいます……」
「ククク……それは困るな。でも、もう遠慮はしないから。」
俺はハッキリとそう言うと、再び○○の唇を塞いだ。
「……っ……グンソクさん……」
「………」
相変わらず○○は、俺から逃れようと無駄な抵抗を始める。
でも、このときの俺は彼女を逃がさなかった。
(もう少しだけ……このままで……)
○○がこの先もずっと俺のそばにいてくれるように……
俺がどれだけ○○が好きなのか、わかってもらえるように……
大好きな彼女と何度もキスを交わしながら
俺は精一杯、自分の気持ちを○○に伝えるのだった……
☆☆☆☆☆☆☆☆FIn☆☆☆☆☆☆☆