実在するウネとは似て異なりますのでご了承下さい!m(_ _)m
〇ウニョガ=ブーシュカ・ウニョクちゃん
〇ドンヘ=ブーシュカ・ドンヘちゃん♪
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あれから練習を重ねたけれど、やはりウニョクとの感覚は戻らないまま…キボムとのダンスの方がしっくりいっているのは、誰の目が見ても明らかだった。
そして、とうとうコンテストの前日が来てしまった。
トゥギ先生の提案で、練習は昨日まででストップ。
コンテスト前日はゆっくり過ごすように言い渡されて、オレは家で物思いに耽っていた。
『明日、ウニョガかキボム、どっちかを選ばなきゃいけない…。 まだ決めかねてるオレは、やっぱり駄目な情けない奴だよね』
その時、ふいにスマホが鳴った。
「この着信音…ウニョガ!?」
慌ててスマホを取り上げる。
「も…もしもし! ウニョガ!?」
「ドンヘと話すの久し振りだな」
懐かしいウニョクの声に涙が出そうになる。
「お前の事だから、又色々考えて一人悶々としてんじゃないかと思ってさ。 当たり?」
「……うん」
「明日はさ、お前が一緒に踊りたい方を選べよ? コンテストの入賞とかはまぁ…少しは考えて欲しいけど、明日のコンテストだけが全てってわけじゃないしな」
「部長なのにそんな事言っていいの? 皆が聞いたら、きっと怒るよ」
少し笑いながら言うと、ウニョクが急に黙り込んだ。
「……ウニョガ?」
怪訝そうに問いかける。
「本当は…本当はさ、上手く踊れなくたっていいから、俺を選んで欲しいってお前に言いたいんだ。 でも、俺部長だしダンス部の事考えたらさ、将来的にもキボムを選ぶのがいいのも分かってるんだ。 あ~☆もう、俺何言ってるんだろ。 支離滅裂だな。 カッコわりぃ~!」
「ウニョガ…」
「ドンヘがキボムを選んでも、俺諦めないからな! 言いたかったのはそれだけだから!!」
「うん…」
「ドンヘ」
「何…?」
「俺、お前じゃなきゃ嫌だ。 俺の隣で踊るのはいつもお前が良い」
「……」
「明日、待ってる」
「……うん」
そう言って電話は途切れた。
「ウニョガ…オレも一緒に踊りたいよ」
胸が苦しくてスマホを握りしめる手に力を込める。
いまだに答えの出せない自分が情けなくて…。
その時、カタンと音がして風に煽られた写真立てがテーブルに倒れた。
「あっ!」
咄嗟にそれを拾い上げた瞬間━━━。
「そうだったんだ…」
オレの胸の中に、ストンとそれは落ちて来た。
写真立てを元通りにすると、オレは頷きながらドアへと向かって歩き出す。
「母さん、オレちょっと出掛けてくる!」
そう言うと、オレは家を飛び出した。
バスと電車を乗り継いで、長い時間をかけてオレはここへとやって来た。
誰よりも愛おしい、大切なひとの眠る場所。
来る途中で買った花束を供えると、オレは跪いて地面に額を擦り付ける。
そのまま顔をあげると立ち上がり、そっと冷たい墓石に手を添えた。
「父さん…」
そう、ここは大好きだった父さんの眠る場所。
「なかなか来れなくてごめんね」
そう言って目を伏せる。
早くして亡くなった父さんは、オレを可愛がってくれた。
歌が上手かった父さんは、将来歌手になるのが夢だったってよく言ってたっけ。
『ドンヘ、お前父さんの代わりに歌手になってくれよ』
『え~、ヤダよ! オレ、サッカー選手になるんだもん☆』
幼い頃のオレは父さんの気持ちも知らずに、冷たくあしらった。
それをオレは今も後悔している。
「父さん、オレね…将来の目標が出来たんだ。 ダンスで世界一になりたい。 歌手じゃないけど、祝福してくれる?」
多分、父さんなら『頑張れ』って言ってくれるはずだ。
『やるからには全力で行け!』って励ましてくれる、きっと。
「後ね、父さん。 オレ、凄く好きなひとが出来たんだ。 今度、紹介するから待ってて」
墓石の周りの雑草をひとしきり抜いてから、オレは立ち上がる。
「じゃあ、又来るね」
愛しげに見つめて背中を向けた。
『待ってるよ。頑張れ』
そう声が聞こえた気がして振り返る。
「有難う、父さん」
オレの中の答えはもう決まっていた。
ウニョクかキボムか。
全ては、明日。
持てる限りの力を出し切って頑張ろう。
決意を新たにオレは未来への一歩を踏み出した━━━。

つづく
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やっと自分の気持ちにケリをつけたドンヘ。
コンテスト当日、ドンヘは誰を選ぶのか……。
見守って下さい!!m(_ _)m
※画像お借りしました☆有難うございます!