実在するウネとは似て異なりますのでご了承下さい!m(_ _ )m
〇ウニョガ=ブーシュカ・ウニョクちゃん
〇ドンヘ=ブーシュカ・ドンヘちゃん♪
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視線の先で誰かが俯いて泣いている。
あの後姿は…見間違う訳がない。
『ウニョガ』
咄嗟に呟いた名前。
『何で泣いてるの?』
『………』
ウニョクは答えない。
ただ、ドンヘを哀しげに見つめて涙を流すだけ…。
『オレがウニョガに悲しい想いさせてるの? オレがウニョガを泣かしたの??』
胸が張り裂けそうに痛い。
ウニョクにこんな顔をさせてるのが、オレ自身なら…オレは側にいちゃいけない…。
ウニョクの隣にいちゃ、いけないんだ━━━。
「……っ」
目尻からこぼれる涙を優しい指が拭ってくれる。
その感触にオレは意識を浮上させた。
「ドンヘ…気がついた?」
視線の先には心配そうにオレを見つめるミニヒョンがいた。
「練習中にウニョクとぶつかって、壁に飛ばされたんだよ? 覚えてる??」
無意識にふるふると頭を振る。
「そっか。 軽い脳震盪だって。 あの時、咄嗟にキュヒョナがドンヘの腕を掴んだから、衝撃が半減して軽くて済んだみたい。 気がついて良かった…。」
そう言いながら、ミニヒョンはオレのおでこを優しく撫でた。
「皆は…?」
掠れた声で一言だけ告げる。
「医務室に大勢いても迷惑だから、今は部室にいるよ。 ウニョクは多分、トゥギ先生のとこだと思う。 さっき呼ばれてたから。」
「…ミニヒョン、有難う。 迷惑かけてごめんなさい…。」
「ドンヘ…何かあった?」
「………」
「さっき、ウニョクの名前呼びながら泣いてたから…。」
ミニヒョンの言葉に哀しそうなウニョクの顔がフラッシュバックする。
「……っ」
布団をギュッと掴んで、涙を堪える。
「オレ、今自分の気持ちが良く分かんなくなってて…。 ウニョガとキボムの間でフラフラしてる自分が凄く嫌で、許せなくて…っ。」
「だから、この所ウニョクとダンスがしっくりいかなかったんだ?」
「どうしたらいいのか分からないから、苦しくて…。 オレ…。」
耐え切れずにこぼれ落ちた涙をミニヒョンは又、優しく拭ってくれた。
「答えなんて無理に出さなくてもいいと思うよ?」
「え……?」
「だってドンヘは二人とも好きで大切なんでしょ? どっちがLOVEでどっちがLIKEかなんて、そのうち自然と答えは出ると思うし。」
「でも…」
「白黒つけなきゃ、先に進めない?」
「うん…」
「ホント真面目なんだから、ドンヘは…。」
溜め息まじりに言うとミニヒョンはオレの頭を抱き寄せる。
「じゃあ、いい方法教えてあげる。」
そう言うとオレの耳元である提案を囁いた。
「どう? 出来そう?」
「……うん。」
「なら良かった。 今ウニョク呼んで来るから、二人で話合ってみたら? ウニョクが納得するかは分からないけど…。」
「ミニヒョン、色々有難う。 キュヒョナにもお礼言っておいて。」
「分かった。 伝えておくね! 後、もう泣いちゃ駄目だよ?」
ふにゃんって笑ったら、ミニヒョンも笑顔で返してくれた。
「ドンヘは今まで充分過ぎる程悩んだんだから。 これからは前だけ見て頑張って!」
「うん。」
ウィンクすると、ミニヒョンはファイティン・ポーズをして医務室を後にした。
「じゃあ、ドンヘは重症って訳じゃないんだね?」
「軽い脳震盪みたいで、今医務室で休んでます。 ミニがついてくれてるんで、心配いらないと思います。」
「良かった…。 実は2TOPのプレッシャーで、俺がドンヘを追い詰めちゃったんじゃないかって少し気になってたからさ。 だって、あの子ダンスが大好きだろ? 骨折でもして長い事踊れなくなったら、可哀想だもんな。」
こんな時に不謹慎だが、ウニョクはイトゥクが顧問で本当に良かったと心から思っていた。
新卒で歳も割と近いから、俺達の気持ちにちゃんと寄り添ってくれる。
信頼出来るいい先生だと思う。
「今日はもう、練習はいいから。 ドンヘが目を覚ましたら、ウニョク家まで送ってやって。」
「分かりました! 失礼します。」
一礼して職員室から出ると…そこにはキボムが待っていた。
「何か用か?」
ぶっきらぼうに訊ねると、キボムを睨みつける。
「ちょっと、言っておきたい事があって。」
「何だよ。」
「俺、ドンヘにOK貰ったから。」
「はぁ!?」
訳が分からないという顔をしてウニョクはキボムを正面から見据える。
「前に言ったろ? ドンヘの答え待ちって。」
「戯言に付き合う程、暇じゃねぇんだ!」
踵を返そうとしたウニョクは、次のキボムの言葉に凍りついた。
「俺もウニョクも好きだから、俺に諦めてくれって言えないって。 気持ちは自由だからって、ドンヘ言ってたよ。」
信じられない事を聞いたかのようにウニョクは目を見開く。
目の前の男を、本当にドンヘは好きだと言ったのだろうか。
「は…何言って…」
「信じられない? でも、俺はドンヘに好きでいてもいいって言われたから、これからも諦めないよ。」
「だから何だってんだ! 俺だってドンへが好きなんだ!! お前なんかに絶対に渡すかよ☆」
「ふっ…望む所だ。」
あの鼻持ちならない涼やかな笑顔でキボムは静かにウニョクを見つめる。
「くそっ!」
今度こそウニョクはキボムの前から足早に去って行った。
『俺に喧嘩売ってんのか!? キボムの野郎!』
ふつふつと沸いてくる怒りがウニョクの足を速くする。
「あ☆ いたいた、ウニョク! ドンヘが目を覚ましたから、早く行ってあげて!!」
ふいに掛けられた声に顔をあげると、ソンミンが笑顔で手を振った。
「マジか!? あ…っと、今日はこのまま解散していいってトゥギ先生が言ってたから、皆にもそう伝えといてくれ!!」
「了解~♪ あ☆ 廊下は走っちゃ駄目だからね!」
「分かってるって!!」
ウニョクの後姿を見送りながら、ソンミンは真顔で呟いた。
「大丈夫。 あの二人ならきっと乗り越えてくれるはず。 ウニョクの想いが強ければ、絶対にドンヘを受け止めてくれるから…! 頑張って☆」
「ドンヘ!!」
医務室のドアを開けると、ドンヘはベッドに半身寄り掛かって佇んでいた。
「大丈夫か!? もう起きても平気なのか??」
「うん…。」
目を伏せるドンヘに先程キボムに言われた事が甦る。
「ウニョガ、オレ…ウニョガに伝えたい事あって…。」
「な…何だよ、改まって…。」
嫌な予感がウニョクの頭を通り抜ける。
「あのね…オレ、ウニョガとの関係を一旦白紙に戻したいんだ。」
「え…!?」
「ウニョガが嫌いになったとか、そういうんじゃなくて…オレが今後も前を向いて歩いて行く為にはどうしても必要で…だから、オレの我儘を受け入れて下さい! お願いします!!」
ウニョクに深々と頭を下げて返事を待つ。
ソンミンに言われた言葉。
『息苦しいなら、離れてみたら? 二人の関係を白紙に戻して又やり直すの。 お互いにそれでも大切って思えたら又付き合えばいいし、駄目なら別れるのも手だと思うよ??』
確かに、今の自分を落ち着かせるにはそれしかないと思った。
こんな中途半端な気持ちじゃ、ウニョクに申し訳なくて…。
でも、ウニョクは受け入れてくれるだろうか。
こんな自分勝手なオレの事、許してくれるのかな…。
「嫌だ…。」
「えっ?」
「俺はドンヘが好きだから、絶対に別れたくない!」
「ウニョガ…。」
ウニョクが拳を握りしめる。
「だけど…お前が前を向く為だっていうなら、俺は受け入れるしかないじゃんか…。」
「ウニョガ。」
「俺はずっとお前を好きでいるからな! 待ってるから!! キボムなんかに絶対渡さない!」
「有難う…。」
「俺、一回お前の浮気疑って辛い思いさせたからさ。 こんな事位しかしてやれねぇけど…ごめんな。」
ウニョクの頬を涙がつたっていった。
「泣かないで、ウニョガ。 ウニョガが泣くとオレも哀しい。 …てか、泣かせてるのオレか。」
どちらからともなく泣き笑いする。
「ドンヘ、ひとつだけ約束してくれ! ダンスは絶対にやめないって。」
「ウニョガ…。」
「きっかけは俺だったとしても…今のお前は俺抜きにしてもダンスが好き、だろ?」
「うん…。 オレ、ダンスが好きだ! だから、絶対にやめないよ!!」
ドンヘが俺の好きな大きな瞳をキラキラさせて言った。
「明日から又、頑張ろうな☆ 宜しく、相棒!!」
「うん!」
手を握り合って、見つめ合う。
「だけど…やっぱり悔しいから、その、さ。 最後にキス…してもいいか?」
「えっ!? ……うん/////」
慈しむ様に、そっと重ねられた唇。
恋人としての最後の口づけは甘く苦く二人を包み込む。
「ごめんね、ウニョガ…。 有難う。」
「ずっと待ってる。 愛してる、ドンヘ…。」
この日、二人は恋人から親友へと戻ったのだった━━━━。





つづく
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キボムの挑発にヤキモキしながらも、ドンヘの意思を尊重したウニョク。
恋人から親友に戻ったウネは今後、恋人にもどれるのか、親友のままなのか。
長らくお待たせしたのに、幸せなウネじゃなくてすみません☆
次回も見守って頂けましたら幸いです!m(_ _ )m
※画像お借りしました☆有難うございます!