これは、ブーシュカのウネをモチーフにしたお話です☆
実在するウネとは似て異なりますのでご了承下さい!m(_ _ )m
〇ウニョガ=ブーシュカ・ウニョクちゃん
〇ドンヘ=ブーシュカ・ドンヘちゃん♪
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「うん! だいぶ息が合ってきたんじゃない?」
「ウニョクとドンヘはダンスの振りのタイミングが結構、双子みたいに同じだよね」
ソンミンとシウォンに褒められてウニョクと見つめ合って笑い合う。
「へへっ♪実はトゥギ先生にも同じ事言われたんだ~!ウニョガとシンクロ率、高いって」
「別に意識してやってる訳じゃなくて俺達、自然とそうなるんだよな☆ドンヘとは以心伝心出来てるのかもな!」
はしゃぐ二人を遠目に見つめながら、キボムは一人唇を噛む。
「鈍ちゃんは難攻不落だと思うけど…まだ頑張る気?」
同じように二人を見つめながら、キュヒョンが静かにキボムに問う。
「キュヒョナ…お前なら、どうする?好きな子に付き合ってる人がもしもいたとしたら…何もリアクションしないで諦められるか?」
「それは無理だね。僕なら周りから攻めていって、どんな手段を使ってでも僕の事を好きになる様に仕向けるかな…」
「相変わらず怖い思考の持ち主だな~、お前は!絶対、敵にまわしたくないタイプ☆」
「失礼な!キボムだって僕の事、とやかく言えないだろーが☆鈍ちゃんに下心ありありのくせに」
一瞬の沈黙の後、顔を見ながらどちらからともなく吹き出した。
「鈍ちゃんと鰯はお互いが半身みたいに深い絆で結ばれてるから…割って入るのは多分、至難の技だと思う。けど、キボムにまったくチャンスが無い訳じゃなさそうだから、足掻いてみたら?」
「…言われなくても、そうするよ」
キュヒョンに背中を押されたような気がして、キボムは何だか少しだけ嬉しくなる。
『例え叶わないとしても…俺は俺なりに頑張ろう』
一人、そう心に誓うのだった。
そして、休日がやって来た。
「わ~!!キボム、キリンがいるよ~☆背がおっきいね~♪」
はしゃぎながら目をキラキラさせて駆け回るドンヘの後をキボムは笑顔でついて行く。
「餌あげられるみたいだよ☆ドンヘ、ほらあげてみて?」
キボムに手渡された野菜を、恐る恐るキリンに差し出すドンヘ。
「わ~、首長~い!!へへっ、ご飯美味しい??」
もしゃもしゃと野菜を食べるキリンを笑顔で見つめるドンヘを、キボムも優しい笑顔で見つめる。
『良かった、楽しんでくれてるみたいだ。連れて来て正解だったな』
ここの所、ドンヘの疲れた顔しか見ていなかったから…正直、キボムは凄く心配だったのだ。
今日がいい気分転換になってくれればいいと、そう思っていた。
「ドンヘ、そろそろお腹すかない?」
「あ~、そう言われればお腹すいたかも…」
「実は俺、お弁当作って来たんだよね!」
「えっ!マジで!?凄いじゃん、キボム☆」
空いているベンチに腰かけて、リュックの中からお弁当の包みを取り出す。
隣に座って期待に目を潤ませるドンヘに、キボムは申し訳なさそうに苦笑いしながら一言…。
「ただし、味の保障は出来ないよ?なんせ初めて作ったんだから」
包みを解いて、まずおかずの蓋を開ける。
「わぁ…!!」
ドンヘの目に色とりどりのおかずが飛び込んで来る。
「タコさんウィンナーに唐揚げに、トッポギ、チジミまである~♪凄い、豪華~!!」
「おにぎりも作ったよ。中身はキムチ入れてみた」
「キボム、ホントに料理初めてなの!?どれも美味しそう~!!」
「ドンへの為に頑張ったんだ。食べてみて?」
ドンヘは箸を受け取ると…。
「いただきま~す♪」
笑顔で唐揚げにかじり付いた。
「ん~、美味し~い♪」
「そう?なら、良かった」
幸せそうに食べ続けるドンヘを見ているだけで、キボムは胸の中が温かい何かで埋め尽くされる気がした。
「ご馳走様でした~!!」
「お粗末様でした!でも、完食してくれて嬉しいよ」
「だって、どれもホントに美味しかったもん♪」
「そりゃあ、愛情いっぱい込めたからね!」
お弁当箱の包みをリュックにしまいながら、キボムは伏し目がちにドンヘに問う。
「あのさ、ドンヘ。俺が入部テスト受ける前に言った事、覚えてる?」
ドンヘの表情が一瞬、緊張に固まる。
「……うん」
俯きながら一言だけ答える。
「もし良かったら今、返事聞かせてくれないかな?」
キボムが真っ直ぐオレを見た。
「勿論、ドンヘの中で答えが出ていたらでいいんだけど…」
キボムを見つめた後、オレは目を伏せて…ひと呼吸置いてからゆっくりと口を開いた。
「オレ、ウニョガが好きだ。それは、これからも変わらないと思う。だけどキボムの事も大切に思ってる。ズルい言い方かもしれないけど、どっちもオレの中では凄く大切で…だから、キボムに今オレから諦めてくれって言えないよ。それが、オレの正直な気持ち」
「じゃあ、俺このままドンヘの事好きでいてもいい…のかな?」
「気持ちは自由だから…大体、オレにそんな権限ないよ」
「有難う…ずっと気にしてたから、スッキリした!俺、これからもドンヘを好きでい続けるから☆公認なんだから、いいよね?」
「なんだよ、それ~☆」
「あ!そろそろふれあい広場でワンコに触れる時間だよ☆行ってみよう、ドンヘ!!」
「うん♪」
オレ達はどちらからともなく、広場に向かって駆け出した。
「わ~、可愛い~♪ふわふわだぁ♪♪」
「へ~、ドンヘはマルチーズが好きなんだ?」
白くてもこもこした子犬に頬ずりしていると、キボムが笑いながらワンコとオレを交互に見る。
「ワンコは皆好きだけど、オレいつかマルチーズ飼うのが夢なんだ~♪ふわふわで、つぶらな瞳が堪らなく可愛くてさ!もうオレ、見てるだけでキュンキュンしちゃうよ~♪」
「確かに可愛いな、マルもドンヘも♪」
そう言うと、キボムはワンコごとオレを抱きしめて頭をナデナデしてくる。
「な…なんだよ~!!///オレは可愛くなんかないし☆」
思いっきり離れると、キボムがニヤニヤ笑いながら一言。
「自覚なしか☆ドンヘは可愛いよ!ウニョクにもよくそう、言われない?」
「うっ☆言われてるかも……」
「やっぱりな。人懐っこくて、ウルウルしたおっきい目がワンコっぽいんだよ、ドンヘはさ」
「自分じゃ分からないもん!……オレってそんなにワンコっぽい??」
ほっぺを膨らませながら上目使いで聞いて来る。
「うん。ほら、そんなとこ特に☆」
優しく笑うと顔を赤くして怒る。
「なんだよ、キボムのパボ~!!///」
そんなドンヘが愛おしい。
『俺、ドンヘが大好きだ。例えドンヘがウニョクを好きでも、大丈夫!俺はきっと耐えられるはずだ…』
ワンコと戯れるドンヘを見ながら、キボムはそう自分に言い聞かせるのだった。
それからも二人で園内を見て回っていると、ドンヘは猿山で足を止めた。
「あっ☆あのお猿さんのボス、ウニョガみたい!」
凛々しく胸を張るボス猿にウニョクを重ねて見ているドンヘ。
「カッコいいな~♪」
その目がいつになく優しくて…俺は胸の中がモヤモヤするのを感じた。
「…ドンヘはさ、ウニョクのどこが好きなの?」
気がついたらふと、そんな事を口にしていた。
「人のいい所はいいって素直に認めてくれる懐のおっきい所…かな。オレ、鈍くさくて自分に自信が持てなかったんだ。でも、ウニョガはそんなオレに自信をくれた」
「自信?」
怪訝そうに問うと……。
「うん。公園で初めてウニョガを見た時に、ダンスする姿がホントにカッコ良くてさ。オレ、つい見よう見まねでウニョガのダンスを真似して踊ってたんだ。そしたら、それに気がついたウニョガが『お前凄いよ!』って褒めてくれてさ…。それからは、ダンス部に見学に行ったり、放課後一緒に帰るようになって。ウニョガが認めてくれたから、今のオレがいるんだと思う。だから、ウニョガはオレにとって特別なんだ」
あまりにも幸せそうにドンヘが笑うから…。
俺はつい意地悪を言ってみたくなったんだ。
「それって完璧、刷り込みじゃない?」
「えっ?」
驚いたドンヘはオレを見つめる。
「ウニョクを好きなんじゃなくて、自分を認めて自信をくれたから好きって思い込んでるだけなんじゃないのかな?」
「そんな…」
ドンヘの揺れる瞳に、内心ほくそ笑む自分がいる。
「それならさ…。ドンヘを認めたのがもし俺だったら、ドンヘは俺を好きになってくれたのかもしれないって事だよね?」
「…………」
混乱して俯いたドンヘは、ギュッと拳を握ったまま瞳を揺らす。
揺るぎ無かったはずのウニョクへの想いが、ドンヘの中で疑惑にすり変わった瞬間……。
それを垣間見た俺は、不覚にも幸福感に酔いしれるのだった。



つづく
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長らくお待たせいたしました~!(;^_^A
癒されに出かけた動物園で、キボムに揺さぶりをかけられてしまったドンヘ。
綻びはこの後、徐々に大きくなって行きます。
何も知らないウニョクは、どうなってしまうのか…。(><;)
次回も見守って頂けましたら幸いです。m(_ _ )m
※画像お借りしました☆有難うございます!