突然の事に動揺するドンヘですが、キボムを拒めない自分に気が付いてしまい…。
波乱の7話、始まり始まり~☆
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「キボム、あの…オレ…」
突然の予期せぬ告白に戸惑ったオレは、どうしていいのか分からずに目を逸らして俯く。
「ドンヘに好きな奴がいるのは知ってる」
「えっ!?」
意外なキボムの答えにドンヘは顔を上げると、そのままキボムを見つめた。
「だから、あえて俺を選んで付き合ってくれとは言わない。でも、俺がドンヘを好きでいる事だけは許して欲しいんだ!ダメ、かな…?」
「…………」
キボムの瞳が揺れながら、でもしっかりとオレを見つめてる。
真剣なキボムの言葉に、オレは彼を拒みきれない自分に気が付いた。
『何で!?オレ、ウニョガが好きなのに…。どうして、キボムを突き放せないんだろう』
頭の中がグルグルして、焦って混乱してるのが分かる。
ウニョクもキボムもオレにはどちらも失いたくない、大切な人なんだ。
「あの、オレ、今混乱してて…その…」
オレは、そう一言だけ口にした。
「びっくりさせてゴメン。返事は今すぐでなくていいから…。もし俺の入部が決まったら、考えてみてくれないかな」
「……うん」
俯きがちに頷くと、キボムは笑顔でオレを見つめながらこう告げた。
「…ありがとう」
その切なそうな笑顔にオレの胸は少しだけ痛んだ。
「さぁ☆ドンヘに言いたい事は言ったし、試験に行くとするかな!」
そう言うとキボムは鞄に手をかける。
「部室、行こう!」
背を向ける彼にオレは堪らずに慌てて叫んだ。
「あの…!頑張ってね、キボム☆オレ、応援してるから…!!」
「おう!」
振り返って笑顔でガッツポーズするキボム。
オレは鞄を掴むと慌ててキボムの後を追った。
いつもは笑い声に溢れてる部室がシンと静まり返って、キボムの緊張感が伝わって来る。
ソンミンもシウォンもキュヒョンもオレも固唾を飲んでキボムを見守った。
「それじゃあ、入部テストを始めるぞ!キボム、用意はいいか?」
「ああ、いつでも大丈夫だ」
ウニョクに問われてキボムが答える。
曲が流れ出すとキボムは緩やかに舞い始めた。
「…派手さは無いけど、上手いね」
「ああ、基本は出来てるな」
ソンミンとシウォンが呟く。
『…確かに悪くないな。荒削りだけどターンも軸がブレてないし、踊りに変な癖もない』
ウニョクが無言でじっとキボムを見つめる。
皆の賞賛の声も耳に入らない程、オレはただ一人緊張の面持ちでキボムを見つめた。
受かって欲しい気持ちと、キボムに答えを告げなければならない気持ちがオレの中でせめぎ合って、胸の中がモヤモヤするのを必死で堪えていた。
「なかなかやりますね、キボムの奴…」
キュヒョンが片側の口角を上げてそう呟いた時、曲が終わってキボムが緩やかに立ち上がった。
そのまま真っ直ぐにウニョクを見つめる。
皆がウニョクの答えを待った。
「…キボム、合格だ」
その瞬間、ワッと部室が湧いた。
キュヒョンとソンミンとシウォンがキボムに駆け寄って抱きつく。
キボムは皆にグチャグチャに揉まれながらオレを笑顔で振り返った。
オレは泣き笑いの変な顔しか出来なかったけど、キボムは優しく笑って頷いてくれる。
「…喜ぶのはまだ早いぞ!これから練習について来れなかったり、レベルが上がらないようだったら辞めて貰うから、そのつもりで」
ウニョクの冷たい言葉に皆が一斉に反論する。
「もう、ホントに素直じゃないんだから☆」
「いやいや、鰯はこれが通常運転でしょ」
「何はともあれ、良かった、良かった!」
「キュヒョン!誰が鰯だ!?ったく、殴るぞ!!」
4人でワイワイやってるのを見ていたら、キボムがそっと隣に立った。
「ホッとした☆これでも緊張してたんだ。でも、この先ドンヘと踊れると思うと俺、凄く嬉しいよ」
「おめでとう、キボム!オレもキボムと一緒に踊れて嬉しい。これから、宜しくね☆」
「ああ、こちらこそ宜しく!……後、返事も待ってるから。考えてみて?」
そう言うとオレの手を握って優しく笑った。
そう、この時のオレはまだ気が付いていなかった。
揺るぎ無かったはずのウニョクへの想いがこの先、ブレて揺れる事になるなんて…。
波乱の幕はまさに今この瞬間、切って落とされたのだった。


つづく
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入部テストに無事合格したキボム。
これから、キボムがドンヘに積極的にモーションかけて、ウニョクはヤキモキする事になりそうです。
踏ん張り所だね、ウニョク!
ファイティン!!o(^-^)o
※画像お借りしました!有難うございます♪