2月1日、成田早朝。
大山に登る前の 気持ちが引き締まる朝焼け。
こちらは2月3日、ヴェネチアの海に落ちゆく夕陽。
取引先85名をお連れしての 海外研修旅行。
会社からは私を含め数名が添乗して、ご接待もろもろをするわけでございます。
イタリアは2度目、前はユーロが発行される1年前のことでした。
2月5日、最終日。
パレルモからバスで2時間半。南海岸のアグリジェントの遺跡群。
今も暗い影を落とす 数奇な運命を辿ってきたシチリアにいて、偶然とは思えない出来事があったんです。
この日の早朝のこと… 3週間無休のムリと連日の寝不足がたたったのか、入浴しようと立ち上がったとたん、
ホテルの部屋で真後ろにぶっ倒れたらしく…
頭の後ろにでっかい 「こぶ」。
なんとか同室の先輩に助けられ、ゲストに知られることなくこの日の業務にもどったのですが、
バスに乗るまでの3時間ほどの記憶が遠い昔のことのように切れ切れだったのです![]()
大山をなんとか登りきる前の 呼吸困難![]()
夜のパーティーでも、指示待ち状態のうつろな私…
そして2月7日。帰国してすぐに訪れた脳神経外科の診断は
まんまと「脳震盪」でございました。
経験してみて初めて知りましたが、記憶を取り戻した後も しばらく頭の反応はもどらないのですね。
人には気づかれないような些細なことなのですが、気遣いができなかったり。動きが鈍くふらついたり。心も体も思うように動かない。
時差ボケなんて無縁だった私も 自分の体力の衰えには驚きました![]()
こんなハプニング、後にも先にも覚えがありません![]()
そんなこんなで、帰国後すぐに決まっていた研修も、集中力がなく、うまくいかない。
そして、そんな時って、「素」の私が また顔をだすのですね。
「表現していることに自信が持てない」
「自分の能力不足が恥ずかしい」
「一人じゃ何にもできない」…
「営業なんてもともと向いてないんだから やっぱり 無理なんだ」…
まるで、喉に何かつまったような不快感とともに、ずっとそんな思考が続く。
幼稚園の頃、人になじめずに いつも友達に声をかけられずにいた私。
なぜかひどい劣等感をはじめから持っていて、
でも父や母にも甘えられなくて、一人の世界が一番安心だった私。
自分を取り戻したかのような出来事のあとには、
また自分を無くすことに出くわす。
これには まんまと今まで何度も引っかかってきて、とらわれてきてきました。
そこで、今回わたしが気を付けてみたこと。
なるべく、やさしく、素直に。
叱咤も いったん受けいれて、そして流して、でもできる範囲でしっかり行動する。
ムリな空元気はださず、騒がず、ただ明るく静かにいる。
するとみなさん、「ばかだなぁ![]()
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ことあるごとに 誰もいない場所で きちんと「大丈夫?」 と気遣ってくれます。
私はばかで のろまな あほなんですが、
でもその「素」の自分を捨てることは きっと不可能なのです。
そんな自分は やっぱり自分なのです。
そんな 生まれたころから ひどい劣等感とともに生まれてきた私は、
40年経って、人といると、すべてのことで助けられるのだと 今やっとわかってきたみたいです。


