今、自社の事業に向けて、お取引いただいているお客様にお願いをして、聞き取り調査をしています。

実は、私、ものすごくネガティブな思考をもっています。
言ってみたら「嫌われるのが怖い」につきます。

自社のためにお話を聞きたいだなんて、迷惑なんでは?面倒くさいと嫌われるのでは?と電話するまでの気持ちの問答がすごいわけです。
だから、積極的に営業に行くこともなかなかできない、本当は脱皮したい!ってすごく思っています。

でも、マーケティングを実践する中で、やっぱり顧客のニーズがどこにあるのか、そのための声を聞かせてほしいという欲求が勝って、勇気を振り絞ってお願いさせていただきました。

「いいですよ、いつがいいの?」という電話越しの声。
もうホッとして、それだけで元気をもらいました。

さらに実際に伺ってみると、みなさん自社の課題ややってみたいことなど、本当によくお話くださった!
これにはビックリしました。

帰り際、少し泣けてしまうくらいに感動しました。
(多分感動屋の性分でもあるんですけどね…)

こうして実際仕事の打ち合わせだけでないコミュニケーションの中でお聞きできたお客様の声、絶対に大切にして喜んでもらえるサービスに繋げたいと強く思いました。

みなさん、当たり前かもしれないけど、必死で自社の商品のことを考えている。
どうしたらもっと喜んで貰える商品がつくれるのだろう、どんな情報発信がいいのだろう、あの商品はここが受入れられたなど、感覚的ではあっても自社の商品分析を進め、愛情いっぱいに商品を開発されています。

そんな中、聞き取り調査をさせていただいたある企業の社長から電話をもらいました。
「今日会社にいる?ちょっと紹介したいことがあるんだけど、近くにいくから寄るよ。」と。

わざわざ寄ってお話してくださったのは、ある視察で訪れたところで聞いた取り組みについて。
「この間津賀さん、こんなことやりたいってちょっと言っていったでしょ?視察先行ったらさ、津賀さんのやりたいことにかなり近いと思ってね。資料あげるよ。」

そこからこの取組についてお話してくださりました。

その中で、私は今考えている事業についてのキーワードを何回か発言しました。

そうすると目の前の社長の顔がみるみるうちに曇ってしまいました。

「津賀さん、なんで○○○って思うの?」と

言葉に詰まりました。
そのキーワードは企画のコンセプトメイクとしてわかりやすいと思い選んだ言葉。
でも、現場で必死に開発し、自社や自社商品の未来を真剣に考え続けている経営者にとって、私が選んだ言葉はとても浅はかであったのです。

そう、やりたいことや目指すことは多分同じ、でもその言葉では共感できない。

静かに教えていただいたことです。

私はまだ全然お客様の気持ちに寄り添えていない、そのことを気づかせてもらいました。

わざわざ、参考になるのではと足を運び、ご自身の思いも率直に伝えてくださった。

私も歳を重ねながら、こんな人への思いやりと応援心を持てる経営者となっていきたい、静かな感動とともに強く思いました。

まだまだ怖いところはあるけれど、お話をていねいに聞くこと、お客様の気持ちに寄り添って情報を汲み取ることの大切さを気づかせてもらったので、これからも、徐々にお話聞かせて下さいのお願いを続けてみようと思います。