ようやっと研究計画に先が見えてきたようなそうでないようなさんちゃんですこんにちは。
今日はそれとは全然関係ない話。
少し前に毎年恒例の出身大学のOB行事がありました。わしはそこで大概卒後60周年記念パーティーの司会担当です。簡単に言うけど、22歳で卒業して60年ですぜ。そこに大酒が投入される心臓病プレイ。
わしは医療従事者だから有事の時に便利なんですよ。
幸い今の所は一度もないけど、毎回一番近いAEDを確認したり、蘇生GO!の歌で心肺蘇生の手順を確認したりしている。今年も無事でした。よかった。
去年は特別な事情があって主力行事の担当をしたため60周年担当は2年ぶりだったのだが、一昨年と今年では60周年のOBに決定的な違いがあった。
一言で言うと、最早戦中世代ではなかった。
確か3年前が学徒動員で繰り上げ卒業のOBだったと思うのだが、少し前は勉強どころではない時代のOBだった。挨拶を始めると、必ず戦争に絡んだ話からとんでもなく長くなる「俺が俺が」の世代の方々。
今年は妙にスマートでありながら、今までよりも幅広い要求が出た。
「コーラない?」なんて要求は初めてだ(笑)わずか2年で豊かな世代になってきたんだなあ。
今までであれば、時代の変化の先端を行くのは子供だったのだが、こう不景気と逼塞感が続くとこれからは時代が変わったんだなあと教えてくれるのは老人になるんじゃないかと思ったりした。面白いな。
大学のOB会の幹部は政財界のお偉いさんが仕切っていたようで、わしの大学でも少し前まで某政治家夫人のご父君にして某一部上場企業会長の某氏が結構長く務めた。今の会長も某美容系会社の社長さんだが、まだお若い部類に入るので、周囲のやっかみがあっていろいろ大変のようだ。
そして、今や女子学生が半分以上を占めるというわしの大学だが、卒後60周年では女性OBがまた延べ10名もいない。OB会の幹部にかろうじて女性が1名いるのだが(日経の交遊録に出たことあるような方)、今回の改選でその女性を会長に推そうとした女性OBたち(OGともいう)が古いOB達に叩かれて大変な目に遭ったらしい。
一番ひどい目にあったのが、わしの委員会の副委員長である。
それまでは古いOB達からアイドル的にかわいがられていたのに(わしより10歳ぐらい上だけどまだまだ美人だからね)手のひらを返されたように冷たくされて面前で非難された経験は彼女を痛く傷つけたようだ。そりゃそうだ。育ちもいい美人が普通に幸せな結婚をして上流家庭に入った後にそんな経験をすることはないだろう。わしみたいに毎週罵倒される中年の方が珍しい。(←いいんだよ、自分の話は)
「OB会では、女は発言してはいけないってことがわかった・・・」
と、しょんぼりしている副委員長を慰めるためにわしが述べたことは以下の通り。
それなりの地位で会社を引退して社会的に立場が弱くなったご老人達の最後の砦は家庭と大学。いや、家でさえ奥様は同世代だからともかく子や孫から疎まれているかもしれない現在、大学の年功序列は手放しがたいパラダイス。
若い世代との対話を求めるような人々ならとっくにそうしておるはず。今更ご老人の最後の活躍場まで取り上げるのもいかがなものかと。いいか悪いかという問題ではなく、日本ではほんの65年前まで「大義のためなら人を殺してもいい」と教育されていた訳で、そういう世代の方々の考えを変えようというのは難しい。
「でも、大丈夫ですよ、先輩。あと10年で絶対変わります」
理由は簡単。10年でほぼその方たちはほぼOB会に出てこれない状況になっているからだ。
無理に戦わなくても時間が解決してくれる。徳川家康作戦、相手より長く生きること、これが大事。
不謹慎っぽくて申し訳ないが、それが現実です。90以上まで現役でひょこひょこ外に出て来られるなんて、前の病院の麻酔医の言葉を借りれば神に選ばれた人だ。こんなこと言うわしだってもう株屋では使い物にならないだろうし、この仕事だっていつまで現役でできるものか。
その頃には大学OB会にしがみついてたりしてな(笑)