昨日高校時代からの友人がふらりと現れて、日常の雑談をした後ADSRのことを話し始め「原子力の研究はやめてはいけない」と言っているときに電話が入り、応対しているうちにどこかへいってしまった。おそらく家に帰ったのだろう。ADSRは初耳だったので検索するとウィキペデアに加速器駆動未臨界炉の説明がある。ウィキペデアを見ると特有のかなりぼかしたような不確かな語り口ではあるもののホントですか?と言うべきことが書かれていた。私は福島の原発事故以降原発の再稼動には反対の立場を取って来たし、太陽光や風力、地熱といった自然エネルギーだけでは不足する分を当面化石燃料に頼って二酸化炭素が増えることになっても原発だけはすぐに止めた方がいいと思っておりました。それは高濃度の放射性廃棄物が安全なレベルになるまで2万4000年ほどかかり原発を稼動する限りその廃棄物が積み上がり、その処分場となる場所がどうなるのかと言う問題があるからです。今回福島の事故は天災に起因する事故であり、想定していなかった事項を新たに取り入れれば当面克服できないことも無く、次にまた想定外の事態で重篤な事故が発生したとしても順次その経験を踏まえて改善していけばいいのだろうと思うに至りました。幸いなことに原発事故が直接の原因で人が死亡したと言う話は聞かない。いずれは化石燃料も枯渇するし、その前に二酸化炭素による温暖化で地球環境がひどいことになる恐れも十分にありますから、放射性廃棄物の問題が何とかなれば原発も視野に入れて行く外は無いのだろうと思います。ADSR(accelerator-driven subcritical reactor)はスイス、ベルギーその他世界各国で開発研究が進められていますが日本では京都大学が既存の実験原子炉に加速器を併設して実験を行って居るとの事で、山中伸弥教授のiPS細胞の研究といい京都大学というところは未来の向けた技術の最先端をやっていることに敬服します。現在のところ原発はリスクの多い技術との認識が一般世論として広まっていますが、技術開発の進展によっては、安全性の高まる可能性もあるのだと言うことを世間一般も分かった上で原子力と聞いただけで拒否反応を起こす事無くその研究開発に携わる優秀な頭脳が結集することが望まれます。唯一つ不思議と言いますか意外に思うのですが、原子力エネルギーを利用しようとするときにまず熱エネルギーとして出力したものを液体金属とか難しい技術を使ってその熱を取り出してなんとお湯を沸かすのですね。その水蒸気でタービンを回して電気にする。ここの所が何か幼稚と言いますか、もっと直接的に効率よく変換できないものなのかと思うわけです。
