Eagle | alcyoneのブログ

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メンヘラこじらせ人間が、生きてた証拠を残すためのブログ

久しぶりに書こうと思ったけど、久しぶりすぎて勝手がわからなくなってしまいました。
なので、こないだ暇つぶし(暇があるほど時間に余裕があるわけではないのですが)で作ったやつを。

鷲です。
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くちばしから翼の先まで、だいたい5cmくらいです。
本来の大きさより小さめのサイズで切ったので、爪が一部なくなってしまいました。


こんなの手作業では作れないので、勿論コンピュータ様の力を借ります。
ワイヤ放電加工機というNC工作機械を使って加工しました。

NCとは「Numerical Control」の略で、和訳すれば「数値制御」となります。
NC制御装置で工作機械のアクチュエータを制御することで、μmの単位(μ(マイクロ)は1/1000000)の精度の加工を、人間が制御するより圧倒的に高速に実現できます。
ベトナム戦争ではヘリコプターが大活躍して戦場に革命を起こしましたが、この需要に応える形で、NCによる高精度部品の大量生産が米国で急速に発展・普及しました。
現在ではNC工作機の技術=その国の工業技術と言って良い状態で、ドイツと日本が特にこの分野で優れています(ただし日本は航空機部品の製造に欠かせない分野で遅れてます)。
初期には汎用旋盤(円筒形のものをつくる)や汎用フライス盤(平面形のものをつくる)を自動化する形でしたが、近年ではNC制御を前提とした大型で複雑な工作機械とセットで「NC工作機」となっているのが一般的です。

また放電加工とは、放電現象による金属の損耗を利用した「電気エネルギーによる加工法」で、古来より基本的な金属加工法である、「刃物による切削加工、又は型・工具を用いた鍛造(運動エネルギーを利用)」とは異なる理論に基づきます。
放電加工には、一般的に加工時間が長いというデメリットがありますが、切削やフォーミング(鍛造)による加工が困難な、複雑形状の金型や部品の製作が可能です。

今回つかったワイヤ放電加工機は、文字通り伸張したWireを用いた放電加工装置で、Wireとワーク(加工物)に通電することにより、両者の接触部に損耗現象を発生させてワークを切っていく機械です。
その特徴をして、単に「ワイヤ」と呼ばれることが多いようです。
Wireの太さにもよりますが、Wire軌跡は損耗現象により、Wire直径+αぶんだけ多く減ります。
僕が今回つかった切削諸元とWireの場合、およそ0.3mm減りました。
鋭い角度で折り返す部分の内側(爪など)が無くなってしまったのはこれが原因です。
放電加工機には他に、フクザツな3次元形状の型をワークに接触させることで、一気に高精度の金型等を作ることができるものもあり、一般的に「放電加工機」と言ったらこちらを指します。
放電加工機はシステムが複雑な上に加工速度が遅く高精度が要求されるため、すべてNC機です。


ちょっと脱線しましたが、ようするに、人間様と工作機械の間にコンピュータが仲介役として介在するのがNC制御システムです。
ここでは人間の仕事は2つ。プログラミングとオペレーティングです。
切削加工をする一般的なNC工作機では複数の工具のデータや補正値、ワークと工具材料の性質を勘案した切削諸元の算出など色々面倒なのですが、ワイヤにおいては、ワークの材質や板厚に応じた切削速度やワイヤ送り速度を予め入力しておけば、あとは形状を指示するだけなので少し簡単です。
簡単なので、こういうお遊びができてしまいます。

肝心の形状ですが、これはAPTという言語を使ってプログラミングします。
言語とかいうといかにもプログラミングっぽくて難しそうですが、基本的にはX,Y,Zの座標を指示していくだけなので、特に2次元的な形状の作成は難しいものではありません。
右脳人間にとって、ワリと優しい言語です。
ただ難儀なのは、このような複雑形状の場合、多数の座標点とそれを結ぶスプライン(自由曲線)を定義しなければならないので、時間がかかる上に入力ミスの修正に忙殺される事です。
この鷲の場合で、合計700以上の点・スプラインを定義しています。
CAD(コンピュータ支援設計ソフト)があれば、わりと自然な感覚で描いたものをそのままAPTに変換できるらしいですが、そんな機能があるって教えてくれる人はいませんでした(たのむよ先生方…!)。
苦労してAPTによる図形定義が完成したら、APTプログラムをNCプログラムに変換して、ワイヤのNC装置に転送し、ようやく加工開始となります。


こんな小さなものですが、加工経路長がけっこう長いこともあり、加工が終わるまでには結局2時間程度かかりました。
35%の大きさで作ってよかったです。100%だったら一日仕事だった…。


こちらは去年、APTとワイヤ放電加工機の授業の最終課題(テーマ自由)のときに作った作品です。
昨年まで僕等を担当してた先生が『すごいね~』なんて言ってくれて、地味に構内に展示されてます(プチ自慢)。
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モチーフは言わずもがなWOLF'S RAIN。
元となる画像をMicrosoft Paintで白黒に塗りつぶし、その印刷した絵の上に方眼のついたトレーシングペーパーを重ねてひたすら点を打ち、座標を読んでAPT文で入力していきました。
2chの実況スレで拾った画像が、こんなところで役に立ちました。
点とスプラインの総数はおよそ1500…。
友人には『お前、病気だろ』って言われてしまいました。
自分でも『こんなのよくやったなぁ』と思います(でも作ってよかった)。








Gotthard - Eagle


たぶん当Blog初登場のGotthard。
名前はフザケてますが、めちゃくちゃしっかりしたロックバンドです。
日本じゃ知名度はいまひとつだけど、Bon JoviとかAerosmithに負けてないと思います。
ヴォーカルのSteveはじめ、メンバー全員がすげー上手くて、なんか高次元って感じがします。
しかも日本人好みのメロディアスな曲が結構多いので、洋楽なのに妙な安心感あります。
GReeeeNとかの軽やかなJ-POP系よりこういうぶ厚い音楽が好きです。


なんか長くなってしまった気がしますが、推敲するのが面倒くさくなってしまったのでこのまま突っ走ります。すいません。
あと、もしかしたら後で説明文を補足する為の画像を足すかもしれません。