一人の生活は

実に時間が豊富にある

 

家族と住んでいたころは

「24時間働けますか?」といったCMの言葉通り

 

かつて文字通り24時間営業で働き続けた

 

21歳からいつも傍らには子供がいた。

子どもたちが大きくなり幼稚園、小学校に行くようになると

自由な時間ができるようになるが

 

既に個の自分として生きていること

 

個人としてノーマルに意志を表現すること

いや、明確な意思を持つ存在であることすら忘れてしまっていた

 

いつも外の状況に応じて自分が動く他動的な思考パターンに陥っていた

 

突然、ポンと家を飛びだし

時間という自由を目の前にして

唖然とした覚えがある

 

あれほど自分の時間が欲しかったのに!

あれほど自由な時間があったらしたことがあったのに!

 

ハイ、すべて自由に使って下さいと目の前に差し出されると

 

頭がフリーズしてしまうのである

 

人間は社会的な生き物だというように

 

ある社会に属してそこでの役目を演じて生きるのだ

 

ただ、その前に個としての自分を忘れてはならない

 

本当の素直に思う心を忘れてはならない

 

力も時間も意志までも明け渡してはならない

 

自分が自分でいなければこの世に生きている価値すら見いだせなくなるから

 

他者の○○ありきではなく

 

自分の内側から発信する電波で動くのである

 

その勇気をもって。

 

いつの間にか自分の頭の中に刷り込まれた概念で

どこかでとってつけたような”いいモデル”を当てはめるのではなく

 

本当の自分を生きるのだ。

 

せめて自分には自分で嘘はつかないように。

 

迷いなく一本に決まった道が見えれば

 

この膨大な時間を力を意志を集中して送り込めば

 

どれだけの充実した時間が過ごせるだろう

 

迷い、それは自分の本心と繋がらない自分の姿

 

迷いの雲よ去れ。

 

雲間におぼろげに見え隠れする月のように

 

私の住まう世界が見え隠れしている。