新しい家に住み始めて2週間がたった

アパートの二階から眺める風景は

生まれ育った見覚えのある風景だが

今は違った角度で眺めている

 

朝夕見る眼下に広がる平野を眺めながら

懐かしさと新鮮な感じをおぼえる

 

パン屋の仕事は

フルタイム勤務になり

朝早くから夕方まで

昼の30分を除いて動き通しで

帰宅後はまるでもぬけの殻のようになっている

 

もはや、何のために、何をしたくて生まれてきたのか

なんて疑問もわかないくらい

日々が最速で流れていく

 

ところが休日の朝、ベッドから起きられなくなった

足がだるく、ひじの関節が痛くて動かない

手がむくんでいる…

 

足の裏はじんじん痛かった…

 

体は正直だ

 

本当の自分を生きていないような気がした

 

しかし、ここにいる私は間違いなく自分で選んでここにいる

 

「今この場で何ができるのだろう?」

 

出勤日、店のカウンターでふと思う

 

「とにかく、今ここで自分を研こう」

 

苦手なレジ。お金のやり取り。

失敗にびくびくおびえていた自分

一連の作業になまけ心が出て自虐的になる気持ち

 

それらを払拭できるのならば!

 

ここでチームとなって働くことの喜び!?

 

自宅でひたすら家事に明け暮れていた日々、

こうやってチームで物事をやり遂げることを望んでいた!?

 

「そう、いま望んだように体験しているのだ!」

 

そう、たくさんの人に会いたいとねがっていたこと

 

みんなで協力して場を作り上げること

 

笑顔で感謝しあえること

 

そう、それらはもうすでに実現している!

 

「どんな場所でも、自分のパラダイスは実現できるものなのね!」

 

そんなことに気が付いたら

痛かったひじも足も楽になっていた

 

お客さんの顔がほころんで

優しいまなざしがこちらをみつめている

 

自分が限らなければ

 

あちこちに

喜びはあふれているものなのね