気分はどんよりしたままだった

 

昨日、母に怒鳴ってしまった言葉が

自分の胸に突き刺さる

 

自分の言葉に自分が一番堪えるのだ

 

午後、友人が2人訪れた

女3人の年の瀬の忘年会。

 

気分がダダ下がりで大丈夫だろうか?

 

楽しい話題に言葉では合わせるが

こころは沈んだままだった

 

灰色っぽい空気を私は発している…

そんな調子のまま数時間が流れた

 

一人の友人が帰って行ったあと

 

「実はね…」

私は身の上を明かした。

 

今までこうして一人生活を続けてきたこと

どのような経緯で家族と別れたかということ

今、寂しく残念に思うこと

 

放りっぱなしのぶっきらぼうな印象だけれど

彼女は率直に何の色味もつけずに話を聞いてくれた

 

数年来、私が知る彼女は

何度もの闘病、身内の病気などをかかえ

傍から見たら

いつも言いたいことを言い放っている

クレーマー的な印象だったけれど

 

家族の話をしているとき

幸せそうな表情が美しく

土気色の肌が

目の前で次第に透き通った白色になって

 

目が柔らかくひと回りも若くなり

 

彼女は愛の人そのものになった

 

いいも悪いもなく目の前の家族に

できることは「応援してあげること」だけ

 

何か起こってしまったときは

それを責めることよりも

支えること

痛んでいたらより良い状態にしてあげること

 

そして

困ったときは私のこともお願いねと

 

子供たちに頼んでおくんだといっていた

 

彼女は優しい目をしていた

 

65歳にして

今まで注いできた愛が形になって実り

収穫の時を迎えている

 

「私の子育てはどうだったか」という問いに

 

自分が死を迎える時

誰が傍に来てくれるか

その時解るんじゃないかな?と言っていた

 

そうだね、

最後の最後まで分からない

その瞬間まで自分の生き方が試されるんだね

 

こころがささくれだって

さび付いてきそうなとき

 

神様は目の前にこうして現れてくれるんだね