確かに

学校の中で何かが起こっている。

事件という目に見える形ではなけれど…


家庭からは手も足もでない。


でも、何かアクションをとって

良い流れに持っていくには???


わたしはある施設を訪ねた


児童の心理に詳しい専門の先生がいる。


その施設の

無味乾燥な灰色とアイボリーの

床と壁とドアが印象に残ってる。


先生が現れた

中肉中背にちょっと浅黒い顔、

唇は顔色をもっと濃くしたような色をしていた。


でも、温厚で中立的な雰囲気の人だった


「ご相談は?」


大まかなアウトラインを話し終えると


「ちょっとお子さんの様子

見させてもらっていいですか?」

先生は灰色のパーティーションの向こうに息子を連れて行ってあそびながら何かを話している。


少しして戻ってきた


わたしは

「息子はこのような子なのですが、

一年生の時とだいぶ様子が違って

様子がおかしいのです…」

直近の鉄棒落下の事件で

ここに来ることを決意したことまで

話し終えた。


そして、

「…学校で

何が起こっているかわからないんです!」


でも、なんとかしなくてはとおもい…


彼が生まれてこの方までの

わたしと盲学校先生の生み出した

息子の「取説」を

クラス担任の先生に伝えてほしいと頼んだ。


わたしにできることは

これが限界だった。


先生は

「いいでしょう、

担任の先生に気がつかれないように

学校の他のクラスも含めて

視察させていただきます。

安心してください。」

といった。


今から思うと

ほかの学年の他のクラスにも

発達や障害を持った子ども

家の事情を背負ったこどもたちが

たくさんいる

それらを学校の中で実際に視察することは

藪蛇ではない

実態を現場で把握することは

この施設の「仕事」でもある


とにかく

運は天に任すことにした。


あれから緑のスーツのあの「先生」

にはあっていない。