生協活動自体よくわからないまま、役員を引き受けてしまって、

3月末、総会とやらに参加することになり、

町外れのプレハブの本部で正式役員となった。

 

そもそも、なぜ組合員なのか

なぜ、活動をしなくてはならないのか

さっぱり解らなかったが

 

そこは、確かに体育会系のピリピリ感があり

組織という大きな任務や使命感みたいな空気感があった

 

役員活動は一ヶ月に2回の会議、

オブザーバーのような立場で生協職員が一人加わっていた。

 

職員のYさんだった。

軍人のような貫禄のある発言する女性だった

 

新人役員からは口々に怖いと噂されたが

どちらかというとわたしは怖い人が好きだった。

 

そういう人に限って

裏表がなく自分が損だとわかっていても

ちゃんと言うことを言える人だから、かえって信用できる。

だいたいそういう人に真の悪人はいない。

 

新人役員着任して早々に食品生産者の見学会に誘われた

 

「いえ、いえ、そんな電車に乗って半日でかけるなんで体力が持ちません!」

わたしは断ったのだが、「いいから来てご覧!」と軍人Yさんのゴリ押しに負けた。

 

まだシックハウスの症状が激しい頃、

春になり、地域で農薬の使用量が増えると

田園地帯を通りかかるだけで伸びてしまう、、、のだが、、、

 

不思議なことに電車に乗って

初めての人たちと

どこを通りがかってもクラクラにならず、

 

シックハウスに対する興味を持たれた女軍人Yさんは

電車の中でどんなことが起こったのか話をきいてきた。

 

彼女の目はいつも真実を知りたがっているような

深い視線ををじっとこちらに向けていた。

 

この日は圧搾油の工場見学にいかせてもらったのだが

今まで、何も知らずに口にしていたものの

本来の作られ方と、

今の生産性重視でつくられたものとの違いを

知るきっかけになった。

 

生協は本来の良いものを受け継ぐために

消費を支える活動をしている、そんな側面が見えてきた

 

初めての生協役員活動がこの様な出会いからだった。

 

初めて、自分と外の社会がつながった経験だったのかもしれない。