過去に記憶は
感情が生々しく、生きていると
その事柄が鮮明に思い出される
しかし
心の底で納得してしまうと
途端に記憶から気体のようにスーッとぬけていってしまう…
けれど、今までの軌跡を
できる限り残しておこう…
今の自分になるために起こったすべてのことを
2006年春
嬉しい桜の季節が訪れた
それまでの人生の流れ中で珍しく
ふんわりとした季節だった
20人に満たない一年生の単学級に
担任にアシスタント教諭1人、
弱視学級の担任、難聴学級の担任の4人の先生が入って
和気あいあいとしたスタートを切った
わたしは小学校の広報委員となり
カメラを持って度々学校の日常を撮影する事ができた
先生方と顔見知りになり、
いつもの、日常の学校の姿を眺めることができた
子どもたちの生き生きとした姿
それを支える先生がたの眼差し
祝福するように
空の青さも、夕立雲のゴロゴロ言う音も
新鮮に、楽しげに聞こえた…
それぞれの特徴を持った子どもたちが一緒に
集まりスタートを切った。
カメラを片手に廊下をふらふらしていると
各教室をのんびり眺めている校長先生によく出会った。
こちらに気がつくといつも気さくに声をかけてくださった。
弱視学級の開設を何より喜んでくれた校長先生の
嬉しそうな微笑みが今でも忘れられない。