しばらく留守にしていた仕事場の席についたような気持ちだ

 

6ヶ月間の勝負をしていた。

 

資格試験という勝負だ。

 

自分という存在にラップを掛けたように

息もぜず、ただひたすら硬い岩盤の上を

あるき続けてきたような日々だった。

 

こころの中に

こんな事をしたくないという自分がいて

 

一方、生活のためには

乗り越えなければらないという自分がいて

 

逃げたい、けれど逃げられないジレンマに陥って

 

泣きわめき

先が見えないまま

ベルトコンベアーに乗って

屠り場へ連れて行かれる仔牛のように

恐怖におののいていた

 

そこへ剣のような言葉が

私の中途半端な心を引き裂いた

 

「やると決めたなら、最後まで力を出し切ってみろ」

「結果が出てからその先を考えろ」

 

軟弱な心に一本の筋が入った

 

よしやってみよう

とにかく、この道程を最後まであるき通してみよう。

 

何もかもを封印して試験に照準を合わせた

 

まるで、アスリートのようだった

わずかな生活の乱れが足元をすくう

毎日、毎時が緊張の連続だった。

 

そして、10月半ばの試験は終わった。

 

多分、結果は大丈夫だと思う。

 

11月6日、昨日は自分の49歳の誕生日だった。

 

33歳の時、

事業の立ち上げ資金として

貯蓄型の保険に入ったが

その保険解約返戻金は既に残り5分の1となっている。

 

よし、最後までのぞみは持ち続けよう。

 

 

かつての自分が、未だ応援してくれているような気がするから。