2006年春、

シックハウス。

 

新築の家には接着剤に使われる有機溶剤は

ドラム缶3本分という。

 

春の気温が上がるときに

徐々に揮発量が増加し始め

夏~秋にかけて減っていくが

そのサイクルが、新築から数年かけて続く。

 

その症状は千差万別

咳、喉の痛み、アレルギー、目のかすみ、皮膚炎

体の外側から始まり

 

血管が切れ内出血が起こる

食欲不振

頭痛

吐き気

生理不順

の身体症状から…

 

イライラ

眩しさ

目のピントが合わない

味覚がない

不安

思考が止まらない

パニック

 

などの精神・神経症状が出る。

 

大体は「引っ越し鬱」として

神経・精神科にかかったりしている。

 

ここで精神科の薬を飲むと

元の状態に戻れず薬が切れなくなる

 

一番良いのは解毒だ。

 

ひらすら、解毒を促進するものを摂る。する。

 

一度大量の化学物質に感作してしてしまうと

微量な化学物質に反応して

たちまち、寝込んでしまう体。

 

なるべくいい空気を吸い、摂取するものを吟味し

 

2~3年はその症状に苦しみながら耐える。

 

わたしはもうこのまま「死んでしまいたい」とおもったことが何度もある。

あまりにその症状は非人道的な有様で襲ってくるからだ。

 

花盛りの公園に行く。

すると花の消毒剤に感作し

目の前が揺らめき、鬱症状が現れる

その場でうずくまって動けなくなった。

 

近所の新築の現場が始まると

ベニヤを張った日に割れるほどの頭痛に襲われ

おとなになって初めて痛さで泣いた

 

頂いたマンゴージュースを口にした途端

一晩中頭の痛さとパニックでもがき続けた

それでマンゴーはたくさん農薬が使われているのがわかった

 

体はものすごい精密なセンサーとなり

あらゆる状況に対して何が「使われているか」

体の症状で判別できるようになっていた。

 

これは何が体の中で起こっているのか

何が「原因」かを知っているから冷静でいられたのである

 

年単位でこれを忍耐し続ける。

 

多分、子どもたちも不調を表す言葉を知らないだけで

いろいろな症状を持っていたに違いない。

不機嫌や落ち着きの無さ、よだれ、失禁、わがまま…

 

長女はちょうど思春期に差し掛かっていた

頭の皮膚はももの皮のようにべろりと剥げ

浸潤液で濡れて枕と頭が張り付いて

朝、悲鳴を上げていた

表情は暗く、学校に行く意欲が削がれた

 

一家の崩れ行くさまを背負って

必死に生きていくことが

当時、私の「使命」であった。

 

時折、足の裏にふわふわした違和感を覚え

どこかに吸い込まれていくような不安感を覚えながら

 

薄れていく現実感をつかもうと

いま、ここに 存在してる 私達を

常に確認し続けなくてはならなかった

 

それほど感覚のない生活に襲われていたのだ。