「変な人」という友人の言葉が彼の代名詞であった
よくわからないし、好きでも嫌いでもないただの友人だった。
しかし何回かあっているうちに
これでもいいかという気になり付き合ってしまった。
実際、自分の心は彼の性格に不一致だったことは
最初から明々白々だった。
街の子と田舎の女子。
私は彼のインテリに見えるところに引け目を感じ、
自分もこの人に合わせようと
自分の良さを見ることよりも
自分の足りないところに気を取られることになった。
自分にないものをたくさん持っている彼に
羨ましさを感じていたのかもしれないし
いずれ自分もそんなふうに近づいていけるのかもしれない
と思っていたのかもしれない。
それは、一種の劣等感からくるものとは
当時の私にはわからなかった。