前回紹介したオーストラリアでの米作りプロジェクト。推進者である白土さんは、ユニークなアイデアの持ち主でもあります。いかに効率的に、無理なく種もみを増やせるかを模索し、常にさまざまな実験を実施。今回紹介するのはそのうちの一つ、藻を使った苗作りです。
藻は土壌に窒素やリンが多いと、田んぼの水面に増殖してきます。藻には植物プランクトンと呼ばれるものもあり、土壌の栄養価が高い証拠で、かつ雑草抑制効果もあります。とくに冬でも温暖なクイーンズランド州・AYRでの藻の増殖は、目を見張るものがあります。
これまで苗作りは農場試験場内で採れる綿を使用して行っていた白土さんですが、田んぼの水面に浮かぶ藻を使って苗ができれば、それほど効率的なものはない!と実験を開始。まずは少し芽が出始めた種もみを「花咲かじいさん」のように藻の張った田んぼに投げ入れるだけの「田植え」に挑戦。
根が藻の下から伸びて土壌に着地し、しっかりと苗から稲に成長していました。
最近は田んぼの藻を集めて、プラスチックケースの中で苗作りにも挑戦中。経過はこれまでのところよく、持ち帰った藻はプラスチックケースの中でも増殖を続け、その上に種もみを撒いておくと、芽が出始めました。
田植えができるまで苗が成長すれば、いよいよ田植えの開始。
「農家は3K(きつい、きたない、きけん)のイメージがある。いかに楽に米作りができるかも課題の一つ」と白土さんは笑って語ります。環境のためだけでなく、農家自身にも無理のない農業は究極の「持続可能な農業」と言えるかもしれません。



