トラ猫トラニャの新たなワガママが発動した。
お腹がすいた、と鳴いたからご飯を上げても食べない。
お気に入りの場所、押し入れの上段に行ってしまう。
仕方なくフードの皿を押し入れに持って行くと……
食べる。
ゴロゴロのどを鳴らしてうれしそうに食べる。
お気に入りの場所で食べられるのがうれしいのか?
たぶん違う。
これは、通院ストレスの結果なのだ。
形こそ違え、これまでに何度もあった。
トラニャは、痛いことをされる病院に連れて行かれて
わたしに嫌われているんじゃないかという気持ちになると、
わたしを試みる。
わたしに手間をかけさせることで、
面倒なことをやってもらえることで、
自分が愛されているということを確認しようとするのだ。
故シャムとは対照的だ。
彼とは揺るぎない信頼関係を築くことができた。
彼はわたしのすることに何でも賛成はしなかった。
イヤなことははっきりイヤと示した。
病院通いはそのイヤなことの一つだったが、
それを強いられても、わたしを全く疑わなかった。
わたしがシャムの嫌なことをしても、
何か理由のあることであって、
シャムへの悪意からではないと分かってくれた。
トラニャは分かってくれない。
トラニャは自分に自信がなくて
嫌われてるんじゃないかと、ひがみやすい。
通院がストレスになることはよく分かるから、
フードを押し入れに持っていって
食べ終わるまで皿を持つくらいのことはするけど、
ひとことだけ言わせてくれ。
トラニャ、お前メンドクサイよ!
