トラ猫にむごすぎた引っ越し (1) | いきなり猫三匹と暮らす

いきなり猫三匹と暮らす

突如襲来した怪生物と犬好きのハートフルコメディ

引っ越しをしなければならなくなった。
トラ猫トラニャはきっとイヤだろう。
それは分かっていた。

トラニャたち3匹を、遠く離れた名古屋に引き取った。
そのとき、いちばん慣れるのが遅かったのがトラニャだった。

イヤだ、イヤだ、ここはイヤだ、
お前なんか嫌いだ、
おねぇちゃんのところに帰りたい!

そう叫ぶかのように、
トラニャは鳴いてベランダのサッシをかきむしった。
それが半年ほど続いた。

シャムとクロは、2,3日で落ち着いて、
わたしになついてくれたのだけれど。

だから、引っ越しは怖かった。
トラニャにはひどいストレスになるに違いない。
それは分かっていたのだ。

でも、トラニャだけが大切なわけではない。
人間の家族も大切なのだ。
引っ越しは、どうしても必要だった。

そして、わたしは少し楽観していた。
前回とは違う。
前回は、誰も知らない土地に拉致されたようなものだった。
今回はわたしがいっしょだ。

だから、たぶん早めになれてくれる。
きっとそうに違いない。
そう思ってしまったのだ。

だが、甘かった。
トラニャにはとてもつらい思いをさせてしまった。