トラネコンプレックス | いきなり猫三匹と暮らす

いきなり猫三匹と暮らす

突如襲来した怪生物と犬好きのハートフルコメディ

 

トラ猫トラニャは自分に自信がない。

劣等感が強くてひがみっぽい。

 

でも、まぁ、仕方ないかな、と思う。

先輩猫2匹のデキが良すぎた。

特に、シャムは信じられないくらい立派だった。

 

 

例えて言うなら、

長兄はノーベル賞を辞退し、途上国感染症治療の最前線にとどまって

治療を続けて逝った知徳兼ね備えた医師、

 

次兄ははグランドスラムのプロテニスプレーヤー

 

そして自分はうだつの上がらぬ平社員、のようなものか。

 

人間ならまだいい。

兄たちが立派すぎるだけで、自分は普通、と分かるから。

 

でも、トラニャには自分が普通と思える比較対象がない。

トラニャの知っている猫は兄二人だけだ。

 

つまり、トラニャの知る限り、自分は世界最底なのだ。

 

トラニャはケンカを挑んで一度も勝ったことがない。

長兄とご主人の間には自分にはない強い絆がある。

兄二人にできて自分にできないことがいっぱいある。

 

実力にも実感にも裏打ちされた最底辺の猫。

そう思ってしまうのも無理はないのかもしれない。

 

実は、トラニャには誰にも負けない素晴らしい才能がある。

でもトラニャはそれを知らない。

残念なことに、トラニャにそれを気づくことはできないのだ。