トラ猫トラニャは口内炎にここ数年来悩まされてきている。
猫の口内炎は、人間のそれよりずっと怖い。
衰弱して死んでしまう可能性があるのだ。
シャムについても、トラニャについても何度か死の恐怖をおぼえた。
薬はあまり効かない。
効いたと感じられたのはプレドニンだけだが、副作用が強い。
最も効果的な処置は抜歯手術である。
歯の根元が病原菌の繁殖源なので、
それを取り除くことに大きな意味があるのだ。
シャムはこれで劇的に改善した。
トラニャもかなりよくなった。
ただし、抜歯手術は簡単ではない。
健康な歯を抜くのは体に負担をかける。
口内炎が悪化して、歯がぐらぐらになってから抜くと、
負担は多少マシになる。
トラニャは口内炎の進行に対応して何度か抜歯をして、
今残っている歯は下あごの犬歯2本だけだ。
(猫でも犬歯)
犬歯は根が深く、抜くのは困難だ。
特に下あごは難しいそうだ。
無理に抜くとあごを砕いてしまうという。
抜歯手術を繰り返したことで、トラニャもだいぶよくなったのだが、
腎不全で体力が低下したためにまた悪化したようだ。
いまはプレドニンで抑えて、おかげで食べられる量が増えた。
ただ、エイズもちのトラニャにはプレドニンの副作用で
エイズを発症するリスクがある。
エイズを発症するリスクと、食べられずに衰弱死するリスク
綱渡りでも慎重に様子を見ながら渡るしかない。
ほかに道がない以上は。

