夕食のために、缶詰を開けると
半ば予想していたことがおきた。
ハニャニャニャ、フニャニャ、と
少し間の抜けた甘え声でトラ猫トラニャが
やってきたのである。
ゴメンよ、猫缶を開けたとおもったんだね。
でも、違うよ、好きなにおいじゃないでしょ?
缶をちょっと近づけてやると、
トラニャは、フンフフンと必死で
においをかいだ後、興味をなくした。
夏の間、肉はあげない---
わたしはそう決めているが、
トラニャに分からないのは仕方がない。
しかし、何かと残念なおつむのくせに、
猫缶が開く音は忘れないのだなぁ。