トラ猫は傷つく | いきなり猫三匹と暮らす

いきなり猫三匹と暮らす

突如襲来した怪生物と犬好きのハートフルコメディ

トラ猫トラニャは不満でならない。
わたしがシャムばかり構うのが納得できない。

膝の上はトラニャがほぼ独占していたのに、
最近はシャムがずっと乗っている。

ガマンできなくて、トラニャが
ムリヤリ後から乗ってきた。

2匹乗るにはわたしの膝は狭い。
デブ猫トラニャは2匹分あるのでなお狭い。

のしかかられたシャムがちょっと痛そうにしたので、
わたしはトラニャを膝から降ろした。

そのとき振り返ったトラニャの顔が忘れられない。

トラニャは「信じられない」という、
はっきり傷ついた顔をした。

トラニャの表情はあまりに雄弁で胸をえぐる。

ごめんよトラニャ‥‥
シャムはいま病気で、
膝にいると少し落ち着くみたいなんだ。
降ろすと叫び出すことがあるんだ。

後できっと埋め合わせをするから‥‥

そう言いながら、同じ言い訳を
クロにしたことを思い出した。