シャム猫の心 | いきなり猫三匹と暮らす

いきなり猫三匹と暮らす

突如襲来した怪生物と犬好きのハートフルコメディ

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認知症になってしまったシャム。
大声で叫びだしたときは、
本当にどうしようかと思ったけれど、
今はずいぶん落ち着いている。

たまに風呂場で大声を上げるけど、
最初の時ほどではないし、
わりとすぐに鳴きやんでくれる。

わたしがベッドにはいると、
けっこう横にやってくる。

ただ、甘えているというより、
習慣的行動をしている、
という感じだ。

シャムは、もともとトラ猫トラニャほど
表情豊かではなく、
黒猫クロほどストレートに
甘えない。

しかし、控え目ながら実に的確に
感情を表現してみせていた。

わたしの具合が悪いときは、
じっと顔を見つめて心配そうにした。

ベッドで隣にいるとき
わたしが「ああ、カワイイ」と思うと、
わたしの気持ちに呼応して、
静かに低くゴロゴロのどを鳴らした。

最近は、まったくゴロゴロ言わない。
「お腹がすいた」以外に意思表示を
することは全くない。

ただ、まったく心の無いロボットのようだ
というほどではない。

心が遠くにあるというか、
霞がかかっているというか、
昔のように通い合わせることが
できなくなっている状態だ。

認知症は治らない病気だと分かってはいるが、
「お腹すきました」の顔だけは
以前と変わらぬ様子なので、
つい儚い望みを抱いてしまうのだった。