黒猫クロは、ブラッシングが大好きだ。
他の猫にブラシをかけていると、
アニャ、アニャ、アニャ、と小く甘えた声で鳴きながら
すっ飛んでくる。
ブラシをかけられているのが最低身分猫のトラニャの場合は、
にらみつけて追い払ってしまうことさえある。
シャムはふつうに好き。
ブラシをかけるとゴロゴロ言う。
以前はなにかと遠慮がちだったのだが。
さいきんは、クロにブラシをかけているときにも
自分からやってくるようになった。
ブラシに限らず、病気してから甘えん坊になった気がする。
トラニャは、ブラシがあんまり好きじゃないみたいだ。
さいきんは好きになってきたような気もする。
ブラシをかけていて、ゴロゴロ言うときも多い。
ただ、ブラシ関係なく構ってもらうのがうれしいのかも
しれない。
他の二匹にブラシをかけているときに、
自分から寄ってくることはない。
人間側の都合をいうと、いちばんかけたいのはシャム、
ついでトラニャである。
シャムはなんだか冬毛がまだ残っていて暑苦しそうなのだ。
トラニャは見たところそうでもないが、かけるとそれなりに
毛がとれる。
クロは3匹の中でいちばん毛の量が少ない。
背中に古傷もある。
ブラシをかけすぎると皮膚を痛めてしまいそうなのだ。
ブラシが大好きなので、いちばんよくかけているのだが、
いちばんかける必要がないというのは皮肉である。
けれどこれは仕方がないのだ。
クロ、お前にはもう十分かけたからまた今度な、
と言ってかけなかったらきっと恐ろしいことが
起きるに違いないのである(笑)。
生き物は、体以上に心のケアが大事だと思う。