別腹って、わたし自身には経験がないので、
単に心理的な問題だと思っていた。
人間の胃袋は一つだけなので、ほんとうに
満杯なら、それ以上は入りようがないはずだ。
ところがそうでもないらしい。
以前見たTV番組で、診断装置を使って実験していた。
胃袋いっぱいに食べ物を詰め込んだ被験者に、
好物のスイーツを見せると、
胃が活発に動き始め、中の食べ物を、腸のほうへ
送り出し始めたのだ。
その結果、胃にはもっと食べ物が入る余裕ができた。
胃の運動で発生する余裕の空間。
それが別腹の正体だったのである。
さて、この別腹、猫にもあるようだ。
あいかわらず口内炎で調子が良くないシャム。
いま、食べ物を食べられないシャムに合わせて
食事を出している。
口が痛くないときがチャンスだ。
ところが、人間が病気の時もそうだけれど、
シャムも、いざ食べようとすると食べられない、
ということがときどき起こる。
そんなとき、トラニャは大喜び。
自分の分はとっくに食べていても、
シャムの残した肉を猛然と食べる。
肉は別腹、らしい。
当然の結果として、大デブになってゆくのだった。

