以前……。


というか、この間書いたけど、俺。


(椎間板)ヘルニアを患ってから、結構腰痛に悩まされるんです。



で、リハビリや湿布などの処方箋をもらう為に、ちょくちょく病院に行くのね。



「結構、待ってもらう事になると思うんで、待合室の方で掛けてお待ちになって下さい」



残念ながら
ロリ系天然ナースではなかったですが、そこそこ綺麗な看護婦サンに言われて、指示通り待合室に行く俺。



ほしたら、椅子。

空いてるトコ、あれへん!!!


いや、俺、腰痛っ!!

おいおい、勘弁してくれや!!!




もう~、立ってるのメチャクチャつらいのに、立って待たなアカンのか?


悲壮感を顔に漂わせながら、俺。


もう一回、辺りを見回してみました。



すると、3人分くらいのスペースを使って、長椅子に座っている、ジャージの兄ちゃん発見!



年齢は俺と同じくらい?



いや、年齢なんかどうでもええ。



俺は、一刻も早く座りたいねん!!

何、“態度Lサイズ”で、座っとるんじゃ!!


譲り合いの精神ないんか、お前っ!!




ってか、何かさえへん顔した兄ちゃんやったしね……。



普段から、電車等で無駄なスペースを空けて座っている奴は

「射殺」

と公言して、はばからない俺。



早速、その兄ちゃんの近くに行くと全然申し訳なさそうな口調

「すんませ~ん」

って言うて、その兄ちゃんに隣にずれてもらうよう促しましたわ。



「チッ……」


露骨に、小さな舌打ちをして、隣にずれる兄ちゃん。



いやぁ、俺、思ったね。



なんや、コイツ?

何、舌打ちしとんねん?


お前が、意味不明にスペース空けて座ってるから、悪いん違うんかい?



この上なく、
自分に都合のいい正義感で、心の中で兄ちゃんをののしる、俺。



けど、強気になれるのもここまででしたわ……。



状況は、兄ちゃんが持っていた携帯に電話がかかってきた時を境に、一変します。



「もしもし、何や?」


さえない顔つきとは違い、横柄な感じで電話を取る、兄ちゃん。



「あぁ? うん……」


で、電話の相手に相槌打ったり、頷いたりしてたんやけど、この後態度が急変!



「そんなもん、お前!

3人で拉致ったったらええやないけ!!


ええから、3人で拉致れや!!!


アニキには、俺がちゃんと言うとくわ!!


何かあったら、俺が直接話しに行くからや!!

それまで、絶対にそいつ逃がすなよ!!」




ドスのきいた声で電話をする兄ちゃんを横目に、俺。


思わず、驚愕!!



えぇー!!

この人、ひょっとしておヤクザさん!?


俺、なんちゅう人にスペース詰めさせたんや!!




いやぁ、額から冷や汗が、たまらなく吹き出てきましたよ(笑)



で、その後兄ちゃん。


俺の前を横切って、新聞を取りに行ったんやけど、俺。



さっきまでの威勢はどこへやら。



俺、めっちゃ縮こまって、
兄ちゃんが俺の前をスムーズに通りやすくするように、必死で努めてたもん!



で、兄ちゃん。


戻ってきて、再び俺の横に座って新聞を読み始めてたけど、俺。


この場を離れたい気持ちでいっぱいでしたわ。



でも、すぐにその場を離れるのも、何かこう兄ちゃんに思われそうでしょ?



「お前……。

俺がどういう人間かわかった途端、何、席離れとんねん?」


って、感じでね。



だから座っている間、ずうっとこんな事を願ってましたよ、俺……。



「頼む、看護婦サン!!

一秒でも早く俺の名前を言うて、この場から逃げさせてくれ!!!」



って(笑)



いやぁ、ホント。

俺って小市民だな(笑)