先日,尿素を水に溶かすと冷たくなる実験をしたときに

そういえば,家に緊急冷却用のパッドがあったな~と思って出してきたら

中身は「硝酸アンモニウム」と書いてありました。

 

尿素より冷えるのかな?

実際に,使ったことがないのでよく分からず。

分からないのならやってみよう音譜ということで実験開始。

 

使うのは

①尿素

今回は肥料用のものを購入したので,3mmくらいの粒です。

 

朝日工業 尿素 700g

 

②硝酸アンモニウム

冷却用のパットを開けちゃいました真顔

もちろん普通に使用する場合は開けないものですから自己責任ですね。

乾燥用のシリカゲルが入っていましたが,半年前のものなので

ちょっと湿っていましたショック

 

③塩化アンモニウム

雪が降るように美しい結晶が見える物質で

これも溶かすときに冷たくなるのであわせて試すことにしました。

 

八宝食産 凝固剤 塩化アンモニウム 500g 「食品添加物」

結晶を作った時の日記はこちら

 

④食塩 比較実験です。

 

実験は2通り考えました。

1水の量,溶かす量を同じにする。                 

⇒同じ条件で,性質を調べてみようという実験です。

2薬品に水を少しずつ足してなるべく濃い水溶液を作る。   

⇒それぞれ水に溶ける量が違うので,効果が違って見えるかな?という実験です。

 

ではスタート音譜

 

1水の量,溶かす量を同じにする。               

まず4つの物質の溶解度を調べてみました。

硝酸アンモニウムと尿素は温めると大量に溶けるようです。

食塩が溶けにくい物質みたいに見えます。

全ての薬品が確実に溶けるように,20gの水に5gの薬品を溶かすことにしました

こんな感じで水を入れた中に薬品を一気に入れて

かき混ぜながら温度を測ってみました。結果はこちら。

今回は同じ濃度なら,食塩以外はどれも同じくらいという結果になりました。

冷却剤には①尿素と②硝酸アンモニウムを混ぜたものもあるようなので

適当に半分ずつ混ぜたものも試しましたが,今回は特別に混ぜる効果はないようでした。

 

2薬品に水を注いで冷やしてみる。              

こんな感じで試験管に3㎝くらい薬品を入れ,

水を滴下しながら温度変化を観察しました。結果はこちら。

尿素が一番一気に冷えましたが,最終的には硝酸アンモニウム

が一番温度が下がりました。

今回使った硝酸アンモニウムはあまり状態がよくなかったので

きちんとした試薬ならもっと効果が出たかもしれません。

 

ウィキなどから溶解熱のデータをかき集めて,

1g溶かしたときの熱量を計算してみました。

実験したもののほかに,発熱反応を示す塩化カルシウム,水酸化カルシウム,

吸熱反応をするよく知られた物質としてキシリトール,硝酸カリウムを入れてみました。

今回の実験1で①~③の違いがほとんど出なかった理由が

分かるデータになっているように思います。

 

このデータには水への溶けやすさが入っていないので

さらに×溶解度(20℃)としたデータがこちら。

溶解熱は薄い水溶液におけるデータなのでこんなことにはならないのですが,

実験2の結果を裏付けるものになってるかな…うーん

 

結果としては,今回は硝酸アンモニウムが冷却剤としては

一番優秀合格ということになりました。

今度は氷も冷やしてみようかな。

夏に向けて冷え冷え実験,またやってみたいと思います。