塩化アンモニウムという物質があります。
食品添加物として通販で買うことができます。
北欧では「サルミアッキ」というお菓子に
使われるようです。
食品以外にも肥料などいろいろな用途があるようです。
化学の授業ではアンモニアが生じる反応の一つとして登場します。
水に溶けると熱を吸収します。
水に溶かすと容器がひんやり冷たくなり、
それだけでも子供は興味を持ってくれます。
今回は100gの水に50gほど加え、
25℃の水が8℃まで下がりました。
おもしろいのですが,冷えると溶解度が下がって
溶ける量が減る
↓
あたためて,溶かすと
また温度が下がる
……のくり返し。
ちょっと水溶液作りが大変なのです。
50℃~60℃の湯煎であたためながら
加えた塩化アンモニウムをすべて溶かしていきます。
こんな塩化アンモニウムですが,温度と溶ける量の関係を表す
「溶解度曲線」を見ると,
温度が高いほど溶ける量が増えていく性質を持っています。
そういう点では普通の物質です。
50g溶かした水溶液は50℃で飽和水溶液になります。
しっかり溶かした水溶液は
析出しようとする→温度が上がる→析出しない
のくり返しになり,
ゆっくりと冷やしていくと,
過飽和状態になり,さらに放置していると
瓶の中に雪が降るように結晶が析出してきます。
析出した結晶は周りの水を温めるので対流が起き
浮かび上がりながら成長し,
ある程度重くなると今度は降っていきます。
ビンの内側に上昇する水流
外側に下降する水流ができるので
外側から大きな結晶を見ることができます。
軽く振ると沢山降ってきます。
とても幻想的で美しい光景です。
やってみたい方へ 注意点
"温めれば溶ける"とはいっても,沸騰しているような熱湯につけると
すぐ溶けるものの,いつまで待っても(冷たくなっても)
析出してこないことがあります。
50℃~60℃くらいで作るのがお勧めです。
細長い瓶や試験管が対流が起こりやすく,雪が降らせやすいようです。
今回は100均でオイル用の瓶を使ってみました。
細めのペットボトルなどの瓶でも可能ですが,耐熱温度が低いので
要注意です。湯煎が50℃以上にならないように気を付けてください。
1キロも買ってしまったので他にも何か作ってみたいです。