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先日の9月19日は旧暦の8月15日。所謂「中秋の名月」である。
台風の影響で数日前は酷い嵐となり、各地で大きな被害が発生したが、調度台風一過、嵐の後は上天気とはよく言ったモノで、19日は非常に良い天気となっていた。
災害に遭われた方は気の毒だが、この日は台風の齎したひとつの僥倖として名月を眺めさせて頂いた。(正確には深夜を過ぎた20日2時45分頃に観測を行った。)

ところで中秋の名月だが、実は満月とは限らない。2011年から今年までは調度満月だったらしいが、次回の中秋の満月は2021年まで御預けとなる様だ。

これは、ムーンフェイズ(月齢表示機能)の付いた時計を持っておられる方なら常識なのだが、月は約29.5日周期で満ち欠けを繰り返している。その為どうしてもズレが生じるのである。

その名月を写真で収めてみようと思ったのだが‥私の古い(使えない)デジタルカメラでは全然綺麗に月を撮る事が出来なかった。(画像1、月の写真?)正直写真を見ても満月かどうかさえ解らない。肉眼ではかなり大きく見えるのだが、写真となると難しいと改めて思った。

さてムーンフェイズだが、私もひとつムーンフェイズを備えた腕時計を所有しており、この満月に合わせてその時計でも月見を愉しんだ。
「PATEK PHILIPPE」の「Nautilus 5712/1A」がその時計である。(画像2)知っておられる方も多いと思うが、ディスクカレンダー(針に因るデイト表示)とムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーター(ゼンマイの力の残量表示)を備えた通称プチ・コンプリケーションウォッチである。

私は基本的にカレンダーやムーンフェイズ等の付加機能は正しい表示で無いと気に入らない性格である。機械式時計に正確さを求めている訳では無いが、折角の機能が有効で無いと言うのは金を掛けている意味が無いと思ってしまうのだ。月齢等は普段気にする事は無いが、それでも現在の月の満ち欠けを正しく表示している事に浪漫を感じるのかもしれない。月が見えない日中で在っても今日の月の状態が判り、夜には実際に本物と月と時計の示す月を見比べる事が出来る。
今回の中秋の名月等はまさに絶好のタイミングと言えるだろう。

最も身近な天文時計と言えるムーンフェイズは、(役に立たずとも)非常に好きな機能なのである。
過去にもムーンフェイズを搭載した時計をいくつも紹介しているが、やはりまずムーンフェイズが有るとデザインが良い。(ムーンフェイズを搭載した時計については「ULYSSE NARDIN 天文時計三部作」、「Reverso grande complication à triptyque」、「Breguet Jewellery」、「クリストフ・クラーレの複雑時計」、「BIG SIZE CENTRAL LUNAR PHASE」、「某宝飾時計店2、5」、「東京旅行16」、「RUE ROYALE」、「PONTOS DÉCENTRIQUE PHASES DE LUNE」、「Women Saint-Valentin Series(バレンタイン2、6
)」を参照して頂きたい。)

また、歯車の回転に因って時間を表示する機械式時計は、腕上の小宇宙とも言える存在である。だからこそ、惑星の公転や自転等まで組み込んだ天文時計に惹かれるのだろう。更に人間にとって最も身近な天体こそが月である。(太陽も暮らしの中では身近だが、月が地球に最も近い位置に有る星である。)
日々表情を変える月は、私達に与える影響は少なくない。その姿を腕上で確認出来るのはやはり宇宙に想いを馳せる人間の性とも言えるのではないだろうか。

やはり無くても全く困らない機能だが、だからこそ機械式時計に相応しい機能だと思う。