時計の歩度を測定しに、行き着けの某宝飾時計店に行ってきた。
歩度測定は、随分行っていなかったが、時計の状態やメンテナンス時期を知る為にも定期的に行うと良いと思っている。
人間の健康診断の様なモノだ。健康診断で異常が在れば、精密検査をする様に、時計もメンテナンスが必要かの目安となる。(勿論人間ドックと同じ様に、OHは一定期間毎に行う事も大切だ。)

さて、今回は嫁の時計を含め、我が家の機械式時計4本を纏めて測定して貰った。
結果は以下の通り。

「Breguet」「TRADITION 7027」 FULL WIND(50h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差+11
縦置き 3時上位置  日差+15
縦置き 12時下位置 日差+10
平置き 文字盤上位置 日差+15
平置き 文字盤下位置 日差+16
平置きのテンプ振り角 317°

Breguet「CLASSIQUE 8067」 FULL WIND(40h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差+16
縦置き 3時上位置  日差+18
縦置き 12時下位置 日差+22
平置き 文字盤上位置 日差+12
平置き 文字盤下位置 日差+14
平置きのテンプ振り角 268°

「PATEK PHILIPPE」「Nautilus 5712/1A」 FULL WIND(48h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差+12
縦置き 3時上位置  日差+14
縦置き 12時下位置 日差+9
平置き 文字盤上位置 日差+12
平置き 文字盤下位置 日差+20
平置きのテンプ振り角 347°

「PIERRE KUNZ」「CUPIDON」 FULL WIND(37h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差+9
縦置き 3時上位置  日差+5
縦置き 12時下位置 日差+6
平置き 文字盤上位置 日差+5
平置き 文字盤下位置 日差+7
平置きのテンプ振り角 325°

尚、Nautilus 5712/1Aはかなり磁気を帯びていた為磁気抜き処理を行なった。またブレスレットの駒ネジ数箇所に緩みが発生していた為、締め直して、緩み止め処理を行なった。

やはり一番日常的に酷使している(軽いスポーツ等でも使用する)Nautilus 5712/1Aが最も様々な面で影響が出ていた。姿勢差も11秒と一番大きかった。逆にTPOから多く使用していないCUPIDONは4秒以内と素晴らしい姿勢差だった。

CUPIDONは当たりの個体を引いたのだろうか、購入時から基本的に姿勢差が少ない。通常レディースモデルは(CLASSIQUE 8067もそうだが)姿勢差が大きくなる傾向が有る。これは時計自体のサイズが影響しており、レディースウォッチの様な小型の時計では、テンプも必然的に小さくなる為テンプの慣性モーメントが下がるので精度に影響する。また同様に香箱も大きいモノが使えない(香箱を増やすスペースも少ない)為、トルクが弱くなるのでやはり精度に影響する。(但し、レディースでも自動巻きの時計は使って巻き上がっている状態を維持している限りは、ほぼ同トルクになるので精度を維持し易い。)
手巻きでトリプルレトログラードと言う余計な機構を持っている女性向けの時計と考えると、CUPIDONのこの精度は驚愕だ。
CUPIDONはそろそろOH時期が近づいているのだが、この精度なら全く問題無い様に思う。(寧ろ、OHに出したら現状より悪い調整で帰ってくる可能性が高い。)

更に調整した季節(気温)も影響しているのかもしれない。夏は遅れる傾向、冬は進む傾向となる為、調度調整した季節(気温)に近い時期に歩度測定をすると比較的良い精度が得られるのではないかと思う。

今回の歩度測定では安定した精度を保っている時計が手巻きの2つ、少々姿勢差が有り進み気味になっている時計が普段から多く使用している自動巻き2つと言う結論となったが、某宝飾時計店のスタッフ曰く、どの時計も(磁気帯び等を除けば)良い精度を維持しているとの事である。次は実家の時計も測定してみたい。