




今回もCARAN d'ACHEの新作を紹介しようと思う。
「CAELOGRAPH」(画像1)。ラテン語の「Caelum(空)」とギリシャ語の「Graphen(書く)」の2つの言葉より誕生した造語の名を持つ宇宙をテーマにした天文学に敬意を表す筆記具である。非常に凝った作りとなっている。
夜空をイメージし、深い青の中国漆を背景に北半球で見る事の出来る353個の星々と51の星座がアルミニウムの微粒子で描かれている。(メルカトル図法に依る。)また漆に混ぜ込まれた銀の微粒子で天の川を表現しており、漆の夜空に表情を与えている。
この工芸技法を駆使して作られた星空はそのまま星座表として使用出来る様になっているのだ。CARAN d'ACHE曰く「芸術と科学の融合」である。
つまり、このCAELOGRAPHは筆記具で在りながら、(実際に使用出来る)星座表を備え天体観測が行えるという何ともロマンティックな逸品である。(動画http://www.youtube.com/watch?v=sPI4oJ8MMYo&feature=player_embedded を参照頂きたい。)
ボディ中央にある2つのリングで日時を調整する事で、その時間の星空を特定出来る。
尚、星座表は3つの緯度で描かれており、北緯20°(香港)、30°(上海)、45°(ジュネーブ)のいずれかを選ぶ事が出来る。(因みに東京は北緯約35°の為、日本で販売CAELOGRAPHは通常北緯30°のモノとなる。)いつでも星々に想いを馳せる事が出来るのだ。
また、キャップと首軸には日時計の時刻目盛が刻まれ、ペン先とクリップには羅針盤のモチーフが使われている。デザインも申し分無いし、作り込みも流石だ。(吸入方法は両用式。)
さて、星座表の使い方だが、簡単に説明すると、まず可動リングを調整し日時を選択する。尚、時間はグリニッジ標準時(GMT)を使用する。
北又は南の観測したい方向を向き、ペンのキャップを下にして地面に対し垂直に持つ。そのままペンを持った腕を頭上に上げる事で、それぞれの方位の天頂までの星々を観測する事が出来る。また北方向を向きキャップを上にすると天頂周辺の観測が出来る。
ペンは、部分的に透明な可動スリーブが星座表を覆っており、観察者の真上と天頂が描かれている。可動スリーブの不透明な部分に覆われた部分は、選択した日時には観察できない空となる。
CAELOGRAPHは、「ALPHA EDITION」と言う、シルバー(プラチナコート)を基調にしたモデル(画像1及び画像2左のローラーボール)と「SIRIUS EDITION」と言うイエローゴールドを基調としたモデル(画像2右)、ローズゴールドを基調とした「ZENITH EDITION」の3種のエディションが有る。(画像2の中央の2本でその内左はローラーボール、右は万年筆。)
ALPHA EDITIONはプラチナコートが施され、各緯度それぞれ限定120本。価格は万年筆が\504,000、ローラーボールが472,500。
SIRIUS EDITIONは18KYGプレートが使われ、SIRIUSにダイヤモンドが使われる。各緯度それぞれ限定52本。万年筆は¥588,000、ローラーボールは\546,000。
そしてZENITH EDITIONは18KRG無垢で作られ、24個の星にダイヤモンドが埋め込まれている。各緯度限定1本。万年筆は\13,650,000、ローラーボールは\12,600,000である。
全てシリアルナンバー入りで観測時に使用するオリジナルのコンパス(画像3、ALPHA EDITIONのモノ。)と専用のボトルインク(画像4、ALPHA EDITIONのモノ。)が付属する。インクカラーは「ブルーナイト」でCAELOGRAPHに相応しい。そしてその全てが美しい飾り箱に収納される。(画像5、ALPHA EDITIONのモノ。)
貴方も夜空と宇宙の星々と‥そして星座が語る神話の世界をCAELOGRAPHで綴ってみては如何だろう。
悠久を感じる星の瞬きを卓越した職人の手で再現した、工芸品としても筆記具としても価値有るCAELOGRAPHは、空を見上げる機会も増やしてくれる筈だ。
それは、毎日に煌めきと立ち止まる余裕を齎してくれるのではないだろうか。