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大阪旅行の続き。
大阪から神戸へ移動し、有名な宝飾時計店「Kamine」を巡る。
前回({大阪旅行18」の投稿参照)はトアロード店まで見て回った事を述べた。

最後の店舗で有る旧居留地店は、他の3つよりほんの少しだけ離れた場所に建っていた。他の店舗より一回り広い印象だ。
旧居留地店のコンセプトはコンフォータブル。取り扱いブランドも「A. LANGE & SÖHNE」、「ROGER DUBUIS」、「Jaeger-LeCoultre」、「HUBLOT」と私の好きなモノが多い。
又、今回の案内をして頂いているH氏は、こちらで購入したROGER DUBUISの「EASY DIVER」(画像1)を身に付けておられる。(「大阪旅行15」の投稿で購入した事を述べた。)

旧居留地店を最後としたのは理由が有る。調度この日は、この旧居留地店にて、「A. LANGE & SÖHNE Oktoberfest」と言うイベントが行われていたのだ。
今回のイベントでは、樽サーバーのザクセンビール「Radeberger PILSNER」(画像2、3。画像2が注いで頂いたビール、画像3がコースター。)を楽しみつつ、A. LANGE & SÖHNEの認定時計技師である「森山治彦」氏に依る「LANGE 1」搭載ムーブメント「Cal.L901.0」の分解及び組立を見る事が出来るのだ。
LANGE 1は名前の通りA. LANGE & SÖHNEの復活に合わせて誕生した時計で、A. LANGE & SÖHNEを代表する時計である。その心臓部である365個ものパーツで構成されるCal.L901.0の細部を見る事が出来る数少ないイベントと言える。

尚、森山氏の名前は何処かで見た事が有ると思ったら、私の購読する雑誌「Chronos」(「本」の投稿参照)第33号の漫画「ムリやり時計ゼミ」(「マキヒロチ」画)にてLANGE 1のOH(オーバーホール)について描かれていたのだが、その漫画でOHを行っていた人物が森山氏である。

美しく仕上げられた緻密なパーツをひとつひとつ分解していく作業は、見ているだけで息を呑む。(画像4~6。画像4、5は作業を拡大した映像、画像6は実際の作業状況。)私は時計のムーブメント(簡単なモノだが)を実際に組み上げてみた経験が有る為、森山氏の繊細な作業が何程的確且つ迅速に熟しているかがよく解った。(私が行なった時計の組立作業については、「精工堂チャレンジキット」及び「精工堂チャレンジキット2」の各投稿参照。)
分解され綺麗に並べられたパーツを見ると本当に多数のパーツが有る事を実感させられる。(画像7、8。画像7は各パーツ、画像8はテンプ置き。)

香箱内の動力源であるゼンマイ等は実際に手に取らせて頂けた。(画像9)パーツを触る機会は、他のブランドでも経験が無い。又グラスヒュッテ・ストライプ(コート・ド・ジュネーブ)を施す前と後の3/4プレート等も見る事が出来た。(画像10)

さて、作業の実演も見処満載だったが、今回のフェアに合わせて入荷した時計にも驚いた。様々なモデルが有ったが、私が釘付けになったのは「1815CHRONOGRAPH」である。
勿論現行の「Ref.402」では無い。旧型の「Ref.401」が有ったのだ。しかも一番気になっていた18KPGケース黒文字盤。(画像11、12。新旧の1815CHRONOGRAPHを並べた写真。左はRef.402、右はRef.401。画像11はダイヤル側、画像12はケースバック側。)
現行のムーブメントであるCal.L951.5は、旧型のCal.L951.0からテンプのチラネジがマスロットに変更されパワーリザーブ(駆動時間)が36時間から60時間まで伸びた。スペックは確かに向上しているし精度も上がっている事だろう。しかし、私はチラ座も使っているチラネジテンプの方が圧倒的に惹かれる。ダイヤルもパルスメーターが必要かどうかは扠措き、旧型の方が好みなのだ。(新型の方が見易いというのも解るが。尚、パワーリザーブは長い方が良いと思う。)
これは拙いモノを見てしまった。元々私が将来手に入れたいと考えていた時計(「時計8」の投稿参照)なのだが、このモデルチェンジで魅力が減った為、買う事も無いだろうと思っていた矢先だ。
もう手に入らないであろうディスコンティニュードの時計である。買い逃せば終わりだろう。しかし全く予算が足りない‥葛藤しつつも、買ったら破産してしまうので、泣く泣く店を後にしたのだった。後ろ髪が引かれる‥(願わくば、数年売れ残っていれば貯金して購入したいが、この投稿をしている時点で既に売れていても可笑しくないだろう。)

素晴らしい技に感動し、A. LANGE & SÖHNEに更に魅力を感じつつ、狙っていた今は見る事の無い時計まで目にするというなかなか濃い内容となった。
次回へ続く。