「時計41 その1~その4」の投稿で両親への定年記念として「CREDOR」の「SIGNO」の「GCBW993」を父親に、「NOMOS」の「SERIES 33」の「TANGENTE」を母親に贈った事を述べた。

それから約2ヶ月が経過した。父親は自動巻きという事もあり、日常的に使用している様だ。母親は手巻きだからか、それとも勿体無いと感じるのか、普段は余り使用していない様に見える。

しかし購入から2ヶ月程経過すると、初期不良が現れてくる場合が多々有る。(漸く気付くと言う冪か。)
また、誤った使用方法に依るダメージが現れてきても可笑しく無い時期とも言える。特に深夜に操作するカレンダーや針を逆に回し続ける事は、不具合が発生する大きな原因の一つである。
最近の新型ムーブメントは、これらにも配意した設計が多く、カレンダーを深夜に操作しても良い時計や時間や日付の早戻しも可能になった時計等が作られており、より日常で使用するに便利且つ故障し難くなった。

尤も、両親に贈った時計はどちらもそんな高性能なモノではなく、どちらかと言うと昔ながらのベーシックなムーブメントと言える。
私は兎も角、私の家族は別に機械式時計が特別好きな訳では無い。つまり機械式時計の取り扱いについて別段詳しい訳ではないので、誤った使用をする可能性も十分考えられる。

その為、この2ヶ月目を契機として家族の機械式時計を点検して貰う事にした。(4つも検査して貰うので通常より簡易な検査を依頼した。)

CREDOR SIGNO GCBW993 FULL WIND(42h)振動数28800bph
縦置き 3時下位置  日差-9
平置き 文字盤上位置 日差-10
平置き 文字盤下位置 日差-8
機能点検(竜頭、カレンダー、自動巻き機構、ゼンマイ巻き上げ)異常無し
磁気残留有り→磁気抜き

NOMOS SERIES 33 TANGENTE FULL WIND(42h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差+2
平置き 文字盤上位置 日差-4
平置き 文字盤下位置 日差-1
機能点検(竜頭、ゼンマイ巻き上げ)異常無し
磁気残留無し

「Breguet」「CLASSIQUE 5907」 FULL WIND(95h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差-3
平置き 文字盤上位置 日差+1
平置き 文字盤下位置 日差+3
機能点検(竜頭、ゼンマイ巻き上げ)異常無し
磁気残留有り→磁気抜き

Breguet 「TRADITION 7027」 FULL WIND(50h)振動数21600bph
縦置き 3時下位置  日差+9
平置き 文字盤上位置 日差+12
平置き 文字盤下位置 日差+15
機能点検(竜頭、ゼンマイ巻き上げ)異常無し
磁気残留有り→磁気抜き

という結果だった。幸いどの時計にも異常は見受けられ無かったが、一番古い私のTRADITION 7027の精度がかなり悪くなっている。唯、前回の検査時(「時計37」の投稿参照)より良い数値であった。
SIGNOは思ったより精度が良く無い。特に遅れ気味というのが気になる。「SEIKO」らしい精度を期待していたのだが‥
余り使用していないと思われるTANGENTEは磁気帯びも無く良好な精度だった。CLASSIQUE 5907もかなり高精度である。ロングパワーリザーブが良い精度に繋がっているのかもしれない。

取敢えず本来は両親の時計の検査がメインだったが、この結果を踏まえTRADITION 7027のオーバーホールを行う事にした。もうそろそろだと思っていたがこちらも調度良いタイミングになった。