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昨日に引き続き時計について。
昨日は久しぶりの2月29日。閏年である。

さて、簡単に閏年は4年に一度と勘違いしておられる方も多いだろうが、厳密には少々違う。主な国が採用しているグレゴレオ歴では閏年には以下の様な条件が有るのだ。

西暦年が4で割り切れる年は閏年。
但し、西暦年が100で割り切れる年は平年。(閏年にはならない。)
但し、西暦年が400で割り切れる年は閏年。

2000年が、最も身近な400で割り切れる閏年であった。この影響や桁が1900から2000へと移行する事によって2000年問題が浮上した訳である。

また、この条件によると2100年は閏年では無いという事が解る。人生100年と計算すると、私達が特殊な条件の4で割り切れる年を経験するという事はもう無いだろう。つまりは4年に一度の閏年さえ知っていれば問題無いという事である。
尚、余談になるが閏秒も有り、今年はその年に該当する。6月30日23時59分60秒が追加される。(通常なら59秒→00秒だが、閏秒の場合は59秒→60秒→00秒となる。)

さて、その閏年の計算を行ってくれる時計の機能が私のブログでも多く登場する「パーペチュアルカレンダー」である。(画像1~3。パーペチュアルカレンダーの代表的なモデル。画像1が「PATEK PHILIPPE」の「Grand Complications 5140」、画像2が「IWC」の「PORTUGUESE PERPETUAL CALENDAR 5032」、画像3が「ULYSSE NARDIN」の「El Toro」。)通称永久カレンダーとも呼ばれる。その月が28日、29日、30日、31日のどの日で終わるかを判別し、残りの日付を1日まで一気に送る事が必要だ。
機械式時計では、電子制御を用いずに、ゼンマイやバネ、歯車等のみでこれを可能にしているのだ。その鍵が48ヶ月カムと呼ばれる4年(48ヶ月)で1回転する歯車である、48ヶ月カムを用いる事で、これをプログラミングしているのだ。
又、1年分をプログラミングした12ヶ月カム(28日、30日、31日)と4年で1回転する閏年カム(29日)を組み合わせたモノも有る。
簡単に説明すると48ヶ月カムは、閏年を含めた4年分の全ての月末がプログラムしてあり、12ヶ月カムには平年1年分の月末しかプログラムされておらず、例外の閏年だけを閏年カムを用いるという違いだ。
尚、通常の機械式時計は全て31日を表示する為、月頭に調整する必要が有る。
2月以外の大と小の月である30日と31日がプログラミングされており、毎年3月1日のみの調整のみで済む12ヶ月カムを用いたアニュアルカレンダー(年次カレンダー)という機能も有る。

この様にパーペチュアルカレンダーは、時間を刻むアイテムである時計として最も永い間隔を表現するという、時計好きには便利且つ憧れの非常に優れた機構である。そして3月1日に切り替わる瞬間はパーペチュアルカレンダー最大の見せ場とも言えるだろう。

残念ながら100で割り切れる年は平年という条件は満たしていないのだが‥

だが、これを満たす機械式時計も存在する。それが「FRANCK MULLER」の「AETERNITAS」というグランドコンプリケーションである。このコレクションに搭載された機構がパーペチュアルカレンダーを超えた400年周期の閏年さえ判別出来るエターナルカレンダーである。
画像4はエターナルカレンダー搭載の「AETERNITAS Mega4」。その証とも言うべき000年から999年までをカウントするギッシェを備える。(ムーンフェイズ(月齢表示)の関係上、1000年に1度の調整が必要との事。)
このAETERNITAS Mega4は最も多機能且つ複雑な機械式時計の代表であり、エターナルカレンダーを含めトゥールビヨンやミニッツリピーター等36の機能を有し、パーツ数は1483にも及ぶ。10世紀を超える時計だ。(尤も、OHで数年に一度定期的に調整する事になるし、1000年後には暦自体がどう変わっているかさえ判らない。そこはまあ浪漫である。)

そんな憧れの時計の中、私の持っている時計もデジタルを用いているモノは(一応)パーペチュアルカレンダーである。西暦、月、日を入力すれば勝手に正しい曜日も表示してくれるし本日はちゃんと3月1日を指してくれている。僅か数万円で数百万円以上する時計と同等以上の機能を手にする事が出来るとも言える。(浪漫は無いが。)
画像5の左が「kissmark」の「KM-6A529」。デジアナクォーツ時計(デジタル表示とアナログ表示の両方を備えた時計)。ちゃんと正しく3月1日(木)に為っていた。
中央のPATEK PHILIPPEの「Nautilus 5712/1A」は当然30日を指していたのでムーンフェイズは送らず、デイトのみを1日へ送った。(尚、ムーンフェイズは122年で一日の誤差が生じるらしい。)
そして右の「SEIKO」の「SUS 6M26」はクォーツのアニュアルカレンダーである。30日、31日は異常が発生していない限り正しく切り替わるのだが‥今回は2月28日から29日に為らずに3月1日にジャンプしたらしく3月2日を指していた。この場合の調整は大変だ。何しろデイトを1周させる必要が有った。

昨日の閏日に因んだ投稿だったが、改めて機械式なら12時間だけ調整すれば良い日付表示無しの3針(2針)が御手軽且つ気楽で良いと思った。
まあそれでも尚パーペチュアルカレンダーははり魅力的なのだが。