そんな中、例年の如く「BLANCPAIN」より「Women Saint-Valentin Series」(同名の投稿参照)は発表されたが、一昨年のモデル(「バレンタイン4」の投稿参照)のモデルは、BLANCPAINらしくない異端児であった為、不安と期待が半々というところだった。
実は、昨年の2011年は従来らしいモデルに戻ったのだが、今後の動向が解らなかったので敢えてこのブログで取り上げる事はしなかった。そして今年の2012年もWomen Saint-Valentin Seriesがまた2010年の路線に戻りショックだったので、このままではもうブログに取り上げる事も有るまいと思い、最後という事で投稿する事にした。
さて、改めて、Women Saint-Valentin Seriesの特徴を述べてみよう。
1.ケースはSS(ステンレス・スチール)製である。
2.ハートのモチーフが使われている。
3.MOP(マザーオブパール)がダイヤルに使用されている。
4.白地に赤が使われる。
5.ベゼルにはダイヤモンドがセットされている。
6.限定数99である。
7.その他、機械式のラウンドケースという様にBLANCPAINの時計作りの伝統に準ずる。
という感じである。尚、2007年モデルは赤が使われなかったし、2009年モデルはダイヤモンドが使われなかったという例外も有る。
さて、まずは昨年の2011年モデルである。トリプルカレンダー・ムーンフェイズ(現在BLANCPAINではコンプリートカレンダーと称している。)を備えたBLANCPAINの代表的な時計である。ベゼルにはダイヤモンドと12時位置にはハートシェイプにカットされたルビーがセットされている。MOPダイヤルにインデックス8個にもダイヤモンドを使用。また、ポインターデイトは矢印がハート型になっており、Women Saint-Valentin Seriesの特徴を満たしている。派手でなくBLANCPAINの良い所を存分に堪能出来、それでいてレディースらしい可愛さも十分なモデルだと思う。勿論限定数99。(価格は\1,732,500。)
そして今年の2012年モデルはクロノグラフである。(画像2、3。画像2はダイヤル面、画像3は裏面。)
ダイヤモンドをセットしたベゼルにダイヤルはギョシェが施されたMOPである。インダイヤルは全てハート型になっている。今回もインデックス8つにダイヤモンドを使用。12時位置にデイト表示有り。
クロノグラフの秒針は赤いハートが使われている。クロノグラフ用のプッシャーには、カボションカットのルビー、竜頭にはダイヤモンド。ケース側面にもルビーやダイヤモンドがセットされている。
これだけを見ればWomen Saint-Valentin Seriesらしいのだが、残念な事にケースは18KWG製。限定数も14であった。価格は不明だが、かなり高額になるのは間違いない。(これで価格がSS並みならBLANCPAINを大いに褒めたい。)
私は、このWomen Saint-Valentin Seriesが機械式時計という存在を知らない(興味が無い)女性に対して、機械式時計の面白さ、複雑さ、そして美しさを解り易く教示出来るひとつの在り方だと思っている。
こういった時計を切っ掛けに機械式時計に興味を持って貰えるのではないだろうか。だからこそ、煌びやかで女性的、ダイヤル等も老舗の時計ブランドらしい手の込んだ作り、そして機械式時計らしさを味わえるという時計は、非常に存在意義が有ると思う。限定というのも特別感が有る。
だからこそ、せめて購入(プレゼント)し易い価格というのも大切だ。SSでも200万前後なのだが、2010年のモデルは\5,460,000と500万を超えてしまっている。今年も従来通りSSで限定数は99にして欲しかった。
どうせWGも作るのであれば、それぞれのモデルでSS製とWG製を作り、SSは99個限定、WGが14個限定(若しくは85個と14個で計99個)とすれば一番良いと思うのだが‥
寧ろベゼルのダイヤモンド等はWGのみにすればよりリーズナブルにWomen Saint-Valentin Seriesを手にする事が出来る。女性が機械式時計に触れる機会が増えるので、是非検討して頂きたい。