雅樂倶には和食の「和彩膳所 樂味」と洋食の「西洋善所 SAVEURS」2つの食事処が有り、今回は西洋善所 SAVEURS(以降「SAVEURS」)を利用する事にした。(一応他にもカフェ&バーや茶室、パティスリー等も有るが、この2つがメインである。)
SAVEURS(画像1、2。画像1は店内の様子、画像2は外を見た景観。)では、フレンチを主体として、富山の食材を盛り込んだコース料理を実現したらしい。確かにそう言った意味では県外の宿泊者には好評だと思う。しかし同じ富山県民としてはどうだろう?少々楽しみだ。
さて、席に通らせて本日のメニュー等の紹介とドリンクをオーダー。私は相変わらずソフトドリンクだが、嫁はグラスシャンパーニュを選んだ。
雅樂倶では「GH.MUMM」と「PERRIER-JOUËT」を主に取り扱っている様で、この日のグラスシャンパーニュはGH.MUMMであった。(詳しい酒種までは聞いていないが‥)
テーブル上には、本日のコースの内容がプレートとカトラリーそしてナプキンと共に置いてあった。さっとプレートとカトラリーをチェック(失礼な客だ‥)するとプレートは「BERNARDAUD」、カトラリーは「Christofle」のモノであった。
BERNARDAUDは、フランスの名窯「LIMOGES」のブランドのひとつである。クラシックからコンテンポラリーなデザインまで幅広く、見た目も面白い。
Christofleもフランスを代表する銀器のブランドである。綺麗に磨き上げられた銀のカトラリーは、手間が掛かる分食卓を美しく彩る。
ブランド好きの私としてはこれだけでも結構嬉しい事だ。
ドリンクで喉を潤し、食事が始まる。
まずは、アミューズ。「食前の一口アミューズ」(画像3)。メヒカリという魚らしい。カリカリで歯応えも良く美味。
モダンなガラスの器に盛り付けされていた。陶磁器では無いので当然BERNARDAUD製では無いだろう。BERNARDAUDのモノを含め、盛り付けに合わせ色々と使い分けている様だ。(尚、カトラリーは全てChristofle製であった。)
続いて、スープ。「西洋かぼちゃのヴルーテ」(画像4)。卵の様な丸いモノを割って中のソースと絡めながら食べる。通常のスープより少なめで良かった。(結構スープで腹が膨れてしまう。)
スープに合わせてパンも配られる。五穀米を練り込んだモノ(画像5)と米粉のパン(画像6)が運ばれてきた。パンは手で千切って食べるので、米粉のパンが運ばれた時にはパン皿が五穀米のパンの粉でいっぱいになってしまった。余り写真の見た目が宜しく無い‥
「クリーミーなモッツァレラとシロエビ 生ハムのジュレ、胡瓜の粒と富山の冨有柿」(画像7)。オードブル(アントレ)になるのだろうか?
余り嫁の評判が良く無かったが、変わった味付けの所為だろうか。モッツァレラとシロエビの組み合わせが納得いかないらしい。個人的には胡瓜が小さな粒になっていたり冨有柿や野菜がキューブ状にカットされていたりと見た目も食感も面白い料理ではあった。因みにシロエビは富山の特産である。
ポワソンの「ふっくら焼き上げた鰆と柚子の香りを纏わせた甘玉葱」(画像8)。鰆は確かに柔らかく、玉葱も良いアクセントになっている。ソースで味の変化も楽しめた。
メインディッシュであるヴィアンドの「デュクセルをファルスした雛鶏のロースト、コンバヴァ風味のジュー」(画像9)。ふぅむ?さっぱり解らない。聞いてみるとデュクセルは茸等を炒めたモノ、ファルスは詰めモノという意味らしくコンバヴァは柑橘系の果物の事らしい。つまり、茸炒めを詰めた雛鶏の蒸し焼き、柑橘系果物風味のソースという感じだろうか?
説明が中心になったが、私は結構好みの味付けだった。骨付きの部分を食べる為にフィンガーボウルも出てきたのは言うまでも無い。
デセールは「パンプルムースのサラダ ヨーグルトのソルベを添えて」(画像10)。サラダと書いて有るが、別に野菜が出る訳では無い。グレープフルーツである。ヨーグルトのソルベは甘みが殆ど無く、逆にグレープフルーツの甘みが引き立つ様な関係だった。
ラストにエスプレッソを頂く。(画像11)珍しく私がコーヒー、嫁が紅茶だった。(いつもは逆である。)たっぷりとシュガーを入れて頂く。苦みが過ぎると甘みが舌を包んでくれる。エスプレッソは最後に溜まったシュガーを頂く事が正式の飲み方と言われているらしい。甘党の私には嬉しい事だ。
確かに富山らしい食材が豊富で富山県民も納得のコースで有った。唯、料理をアレンジし過ぎると嫁の様に食べ辛いと感じる者も出るだろう。その匙加減がなかなか難しいのかもしれないと思った。
一通りのコースを堪能し、一服にゲストハウスへ戻る。
次回最終回。