今年の夏はスポーツウォッチらしく十分な活躍をしてくれた。御蔭で既にケースやブレスレットは瑕だらけになってしまった。
私は、全く瑕を気にせずに使う程、格好良い男では無い。本当なら「スポーツウォッチの瑕は気にするものでは無い」とか「所詮スポーツウォッチだから」と言いたいのだが‥
小者で貧乏だからか、時計をぶつけ、「カツン」と音がする度に、「やってしまった」と思い、時計の瑕を確認してしまう。本来、PATEK PHILIPPEや「Breguet」等は私等が持つに相応しく無い時計なのだろう。全く気にせずに使える様になって漸く、時計に(負けていない)相応しい人物になれるのかもしれない。
しかし、私自身は身の丈を弁えない買い物も有りだと思うのだ。モノを購入する為に人は成長するし、そのモノを手に入れ愛する事で、そのモノに少しずつ相応しくなっていくモノだと思う。(勿論限度は有るのだが)
だからこそ、こういった時計は年を取ってからではなく、出来るだけ若い内に手に入れる方が良いのではないかと思うのだ。
決して背伸びでは無く、共に過ごす時間が長ければ長い程、より時計は持ち主に馴染んでいくと思う。私が退職する頃には、Nautilus 5712/1Aは更に瑕だらけになっているだろう。そして、瑕が当たり前になって時計をぶつける事をわざわざ気にする様な事も無くなっているかもしれない。よりその時計の所有者に相応しい振る舞いが身に付くのではないだろうか?
さて、PATEK PHILIPPEは、もうひとつ早くから購入すると良い理由が有る。それが「パテック フィリップ インターナショナルマガジン」である。
PATEK PHILIPPEの所有者に、年に数回定期的に贈られてくる小冊子だ。
PATEK PHILIPPEの哲学を体現する小冊子で、各国の著名な執筆家の記事、一流のカメラマンによる写真によって「卓越性」をテーマとしている。
PATEK PHILIPPEの時計や歴史・技術等については勿論、それ以外にも芸術性に富んだ、世界各国の文化や現代の潮流を紹介しているなかなか面白いマガジンである。
創刊は1996年、世界128ヶ国で合計15万人以上の方へ発行されており、現在は7ヶ国語で展開中。(英、仏、独、伊、西、日、中)
その創刊からの27冊目、パテック フィリップ インターナショナルマガジン VOLUME NUMBER 3が先日私にも届いた。(画像1、私に届いた6冊の内新しい3冊。画像2~4、VOLUME NUMBER 1~3)
今回は、PATEK PHILIPPEの時計に加えて、「目の細密画」、「中国の刺繍」、「プロシアのアイアンジュエリー」(画像5)等時代や文化を反映した芸術作品が美しい写真と共に紹介されている。
時計だけでなく、様々な文化・芸術に触れる事で、より幅広い世界観を得る事が出来る。そしてその知識を得る事で、更なる審美眼の向上や人間的な成長に繋がるのではないだろうか。それがPATEK PHILIPPEがパテック フィリップ インターナショナルマガジンを発行する理由なのかもしれない。そして最終的にPATEK PHILIPPEの良さを再認識出来、結果的に売り上げを伸ばすという算段か?ともあれ次回も楽しみだ。