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どのブランドも良い機械式時計を作っているが、その中でも特に「機構」や「機能」面において私の好みに限り無く近いブランドが有る。
それが「H.Moser & Cie.」だ。

H.Moser & Cie.が現在販売しているモデルは、画像1の「MOSER PERPETUAL 1」、画像2の「PERPETUAL MOON」、画像3の「HENRY DOUBLE HAIRSPRING」、画像4の「MONARD DATE」、画像5の「MONARD」、画像6の「MAYU」の6種類。

まず、これらのモデル全てが手巻きなのだ。私は基本的に手巻きの方が好きだ。
そしてロービートの18000bph。私は精度をそれ程追求していないので、耐久性に優れたロービートの方が好きだ。こちらの方が職人の調整に腕が必要なのも良い。
テンプもチラネジで、古い時代の機械式時計らしさが残る。しかし、脱進機をモジュール化して交換を容易にしたり、ドラゴンレバーと言った脱進機構を設ける等、新しい設計も多数盛り込んでいる所が非常に魅力的だ。
その中でも「シュトラウマン・ダブルヘアスプリング」はヒゲゼンマイを2つ使ったという他のブランドには無いH.Moser & Cie.唯一のアイデアだ。(画像7、8。画像7は脱進機全体、画像8はテンワとヒゲゼンマイの拡大。)

他にもダブルプルクラウンという竜頭の操作を確実に行える機構や、全モデルがロングパワーリザーブ(廉価モデルのシングルバレルでも80時間駆動)で更にパワーリザーブインジケーターを備える等、非常に使い易い機構が満載なのも私が良いと思う理由である。

また、ムーブメントの装飾も特徴的で、「モーザーストライプ」と呼ばれている。通常のコート・ド・ジュネーブとは違い、ラインが2つ幅で交互に現れている。高級機ではドイツブランドの様にゴールドシャトン及びビス止めも施され非常に美しい。当然全モデルがシースルーバックとなっており、この独特なムーブメントを楽しめる。(画像9、MOSER PERPETUAL 1のムーブメント。)

そして、「A.LANGE & SÖHNE」と同様、貴金属のケースしか採用していないという所もブランドとしての誇りが有ると思う。

結論だが、H.Moser & Cie.の全モデルに共通した、手巻き、18000bph、ロングパワーリザーブ、パワーリザーブインジケーター、シースルーバックという拘りが私の好みなのだ。そして、ユーザーの為に思慮された機構の数々、魅せる為の努力を怠っていないのも好感が持てる。
はっきり言うとH.Moser & Cie.は、「Breguet」の様に昔の伝統を残すブランドとは思えない。むしろ全く新しい新興ブランドと言う印象だが、その全てのモデルに共通する頑なな魂の様なモノは確かに有る。これが、祖であるハインリッヒ・モーザーの遺産であり、H.Moser & Cie.が名前と共に継承した一番大きいモノでは無いだろうか?

唯、好きだし欲しいとも思うのだが、買うとなると‥なかなか難しい。私は貧乏な為、同じTPOに属するモノは、出来るだけ購入対象から外しているのだ。そうしないと破産してしまうし、それぞれの時計を楽しめなくなる。だからこそ、私は余り数多くの機械式時計を所有しようとは思わないのだ。(勿論例外も有ると思うが‥)現在はとりあえずBreugetの「TRADITION 7027」が有るので、(シンプルなドレス系ウォッチが)購入の選択肢に挙がらない。金銭的、そして時間的な余裕が欲しい。想いは募るが‥