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前回、「ぜんまいユニット」の組み立てまでを完成させた「二挺天符式和時計」。
今回は「天符ユニット」の組み立て直前まで進もうと思う。

まずは、ぜんまいユニットに歯車の設置。(画像1)剣車という歯車を取り付ける。
剣車、という名称は今回が初耳だ。裏に剣車の名の由来であろう2つのカムが有る。シャフトを通しながらカム受けに乗せる。

続いて二の輪を組み込む。この際、剣車の切り欠きと二の輪の△マークが合う様に配置する。
この時調度、一の輪のカナと二の輪、そして剣車が連結する。(画像2)

二の輪は、カナ側(小さい方の歯車が有る面)に突起が4つ出ているがイマイチ用途が判らない。

その後、いよいよ文字盤の有る前板を取り付ける。文字盤側の穴とぜんまいユニット側のネジ受けを合わせ、皿ネジ6本で固定する。
前板の取り付けには、歯車を固定する意味も含まれている。腕時計とは違い受け石は無いが‥

剣車に通していたシャフトを抜く。剣車も固定されているので問題無い。(画像3)

引っくり返して、香箱(ぜんまい)を固定する。(画像4)

(今回の)最後は、聞いた事の無い「盗人金」という部品を取り付ける。(画像5)

盗人金は、盗人金と呼ばれる金(カム)と長円レバー、角シャフトで構成されている。
長円有レバーを角シャフトに差し込むのだが、微妙に歪んでいるので少々不安だ。正しいのだろうか?
それから先程抜いたシャフトをシャフトばねと通して盗人金に通して、(画像6)中板から覗くカム受けに差し込む。
長円レバーをつば付きねじで固定して、取り付け完了である。(画像7)

この盗人金は、二挺天符式和時計の晝(昼)用と夜用の2つのテンプ(天符)の切り替えを行う部品である。それぞれのテンプを交互に上下させる効果が有る。
盗人金で持ち上がったテンプは、雁木車とテンプの爪が外れる。雁木車と噛み合っている爪側のテンプがその際に時を刻んでる脱進機となる。
これが、剣車の裏のカムによって作動する様だ。
この奇妙な名称の由来は、時計と時を同じくして日本に伝来したとされる鉄砲の部品名称より転用したらしい。
時計のぜんまい機構を鉄砲に用いたりと両者は密接な関係が有った。つまり、互いの機構を結び付け、新たな機能を時計や鉄砲に搭載したのだ。
私の予想だが、盗人金は、始め時計に用いられた部品であり、それを鉄砲にも利用したのではないかと思う。しかし、当時の時計の資料が無いので、鉄砲の資料に残っている名称を仮に名付ける事となった。

復元された「二挺天符式櫓時計」には盗人金以外に地板、弾金等が鉄砲の資料から転用されているらしい。(今回の付録である二挺天符式和時計には、地板や弾金は使われていないが)
‥因みに何故盗人金と言うのかは調べてみたが判らなかった。

さて次回は脱進機。二挺天符なので2つ付いており、盗人金とどの様に関連して作動するのか作る前から楽しみだ。