


「Tension Ring」の投稿では、NIESSINGが発明した、指輪の張力(テンション)のみでダイヤモンドを留める究極のダイヤモンドセッティングであるニーシング・セッティングを用いた指輪「The Niessing Ring®」について、そして「NIESSING Steel Rings」の投稿では、「Runway」、「High Noon」、「Acrobat Niessing Ring」といった、動きが有るモノから特殊セッティングを楽しめる遊び心の有る指輪を紹介した。
総じて言える事は、NIESSINGのダイヤモンド(石)の留め方は、それ自体がダイヤモンド(石)を美しく魅せる為だけでは無く、そのセッティング方法(及び動き)がひとつの価値有るアイデアだという事だ。そしてそのアイデアを形にする事には、実は相当の技術や研究が必要なのだ。
唯、こんなセッティングなら面白い、では、ダイヤモンドは直に外れてしまう。鋳造の指輪でもニーシング・セッティング(風)の指輪は作る事が出来るが、NIESSINGと同等の張力が有り、同等にダイヤモンドを固定出来るかといえば否である。つまりデザインは似せる事が出来ても本質は別物となってしまうのだ。
故に、似たモノが存在しない。
それは、デザインのみを追及する他のジュエラーとはやはり一線を画したモノである。NIESSINGでは、常に新しい技術と、これまでに無いデザインを形にしようとする意思と研究に寄って、プロダクトが生み出されているからではないだろうか。
今回紹介する「Cut30」もそのひとつで、ニーシング・セッティングの発展したモノである。
Cut30は、画像1の通り2種類存在する。と言っても、18KとPT950という素材の違いでは無い。
Cut30は、30°のカットに由来する名前で、ダイヤモンドをセッティングする指輪の切れ込みの角度を指す。
詳しく説明すると、18Kの方は、指輪を上から見た場合に30°でカットされており、PT950の方は、指輪を横から見た場合に30°でカットされている事が判る。
画像2はどちらも18Kだが、より2種類の違いが判る為掲載した。(左は上から見た場合、右は横から見た場合に30°のカット。)
画像3が、画像1のダイヤモンドの部分を拡大したモノ。18Kの方は30°のカットに対し、ダイヤモンドは通常のダイヤモンドリングと同じ様に、リングに対しダイヤモンドのキューレットとテーブルの中心を結ぶ線がが垂直になる様にセッティングされている。つまり一見通常のThe Niessing Ring®と同じだが、地金とダイヤモンドの接する角度が30°ずれている事なる。張力が真直ぐダイヤモンドに伝わっていないという事だ。
PT950の方は、ダイヤモンドも30°傾いて見える。カットされた角度に対して、ダイヤモンドのキューレットとテーブルの中心を結ぶ線が平行になる。こちらは地金とダイヤモンドの接する角度は従来通りだが、やはり張力は真直ぐには伝わっていない。
この30°が傾けて張力を掛けてもダイヤモンドが外れず、また見た目にも面白い角度の限界なのかもしれない。一見何気無いセッティングなのに、研究を重ねないと絶対に形にする事は出来ないという事だ。
非常にNIESSINGらしい指輪だと思う。男性にも非常に似合うと思う。
価格は、18K、0.06ctダイヤモンド(画像2参照)で、
左が\257,250~、右が\267,750~である。(ダイヤモンドの4Cや地金の素材で変動。)
個人的には右の指輪が面白いと思う。ソリティアのダイヤモンドが傾いている指輪自体が殆ど見つからない。それを真横から眺める事が出来るモノは皆無であろう。
貴方もCut30を身に付けて、普通とは少しばかり角度を変えたモノの見方をしてみては如何だろう?いつもであれば気が留めなかったモノも、30°違う視点で見ると新しい発見が有るかもしれない。毎日同じだと思っていた事も新鮮に映り楽しくなるだろう。そんな些細な思考の変化を、NIESSINGは提案しているのではないだろうか?