「食器3」の投稿で、「Meissen」の「Waves Relief(波の戯れ)」のティーカップとコーヒーカップを購入し使用している事を述べたが、いくつか問題が発生していたのだ。
まずは、折角のカップ&ソーサーなのに、ケーキ用のプレートが無い事。どうも今有る皿ではカップと合わない。という訳でこのバレンタインに併せてWaves Reliefのプレートを購入した。(画像1)
もうひとつがティースプーンである。Waves Reliefは、その特徴的なデザインと染付けの無い純白の色から、通常のシルバーやゴールドのスプーンがどうもしっくりこない。かといって、安価な陶製スプーンでは白の色合いも違うし、何だか「散蓮華(レンゲ)」みたくてイマイチだった。
一番良いのは同じMeissenのスプーンを購入する事だが・・現在販売されているMeissenのスプーン(画像2)は、コバルトブルーの染付けで「Blue onion」の模様が描かれている。Blue onionシリーズを使っているならベストなスプーンとなったであろうが、残念ながらWaves Reliefとは雰囲気がまるで違う。
もう少し、柔らかな雰囲気の陶製スプーンは無いものかと探していたら、「ROYAL COPENHAGEN」に「Blue Fluted Mega」のスプーンを発見。完璧、という程では無いが、今までのティースプーンでは、一番Waves Reliefとマッチングが良いと感じた為購入。
箱のBlue Fluted Megaのイラストに合わせた部分の染付けがスプーンに施されている。(画像3、4。)
ROYAL COPENHAGENについて簡単に説明しよう。
1773年、フランツ・ヘンリック・ミュラーが初めてデンマークで硬質磁器を完成する。1775年にデンマーク王室の庇護を受けて王室御用達の陶磁器工房を創立。何と「Breguet」と同じ創業年である。
更に1779年にはこの窯の株を、王室が買い占め、王立デンマーク磁器製陶所となる。
しかし、この後厳しい国内事情が続き、憲法改正によって、王立デンマーク磁器製陶所は民営化される。なかなか買い手が付かなかったが、1868年にブラックという民間の商人に売却。その際、王室を意味する「ROYAL」を冠する事を条件とした。こうして現在に至る。日本の陶磁器の影響を強く受けた「Blue Fluted」やロシアのエカテリーナ2世への献上品として製作した「Flora Danica」等が有名である。
そしてMeissenの双剣の様に、ROYAL COPENHAGENの作品には、王室の意味を持つ王冠と、その下にはデンマークを取り囲む3つの海峡を意味するコバルトプルーの3本波線という紋章が絵付けされ、品質と製造元、王室と深い繋がりが有った事が証明されている。
それにしても、今まであまり考えていなかったカップとスプーンのマッチングで雰囲気は随分と違うのだと思い知った。シルバーやゴールドのスプーンでも持ち手の部分が白磁なら結構似合うのではないかとも思う。
理想は、Waves Reliefのスプーンが販売される事だが、可能性は有るのだろうか?
また、ナイフやフォークを含めたカトラリーも、切れ味や使い易さだけでなく、プレート等とのマッチングが必要なのではないかと思った。ホームアクセサリーは、単品のデザインが優れているモノは結構多いが、そういった商品を唯購入するだけでは、空間全体の完成度を上げる事にはならない。むしろ浮いたモノが多い、ダイニングとなってしまう。統一感はやはり必要なのだろう。
私の場合、モノの質や拘りには五月蝿い方だが、逆にコーディネートを含めたファッションには疎いので、こういったトータルデザインも非常に難しい・・