さて、今年もまずはとりあえずバレンタイン限定のアイテムを紹介しようと思う。
毎年恒例、「BLANCPAIN」より発表された「Women Saint-Valentin Series」だが。今年はかなりショックであった。
BLANCPAINは、「Women Saint-Valentin Series」の投稿でも述べたが、 1735年に創業した現存する世界最古の時計ブランドである。その世界最古の歴史に誇りを持って時計を続けている。
あらゆる複雑時計を習得し、クォーツ時計の製造を頑なに拒み、そして丸型ケースでの時の表現に拘る事で、その伝統を守り続けている。
つまり現在尚、全ての時計が機械式のラウンドフェイス(丸型)というポリシーを持っているブランドであった。
しかし、今年の2010年モデルは、その伝統が受け継がれず、画像1の様な奇形モデルとなった。
BLANCPAINの初のラウンド以外のケースがこのWomen Saint-Valentin 2010年モデルとなってしまった。しかも、スクエアやレクタンギュラー、トノーといった一般的なケース形状では無く奇形。
これは、BLANCPAINの新たなチャレンジだとは思うが、私はどうも妥協にも感じるのだ。出来れば、初志を貫いて欲しかった。新たなケースの形状に挑戦するのでは無く、ラウンドという丸型の可能性を追求して欲しかったのだ。ポリシーを曲げず、孤高で在り続ける事こそが最も古くからその歴史を積み重ねるBLANCPAINらしさではないかと私は考える。
一度こういったモデルを作ってしまったら、限定ならと、またラウンド以外の時計を手掛ける事が予想される。そうなってしまうとBLANCPAINの伝統は失われていくと思う。(まあ、私の私的な意見だが。)
しかも、このWomen Saint-Valentin 2010年モデルは過去のモデルとはポリシーさえガラリと変わってしまった。
過去のモデルはハートのモチーフを生かしながら、SSケースでダイヤモンド等の輝石をあしらい、MOP(マザーオブパール)の文字盤に白と赤というカラーが主体の時計であった。限定数はどれも99個である。
しかし、2010年モデルは、文字盤のMOP、ベゼルのパヴェダイヤモンド及びピンクサファイアと輝石を用いた点、ハートシェイプカットのダイヤモンドを12時のインデックスとした点等共通点は多いモノの、ケースがSSではなく18KWGケースに変わるという大きな変更点が有った。カラーは白と赤主体であった過去に対して、今年は白・ピンク・黒となった。そう、ストラップは黒のサテンである。一応白のサテンストラップも付属しており変更出来るが、過去の流れであれば白と赤のストラップとなっていた筈である。
また限定数も99個から14個と格段に少なくなった。
18KWGに500個を超える輝石のセッティング、更に白とピンクの2色のMOPを用いた事で、価格は2針で有りながら\5,460,000と非常に高額である。
従来は、輝石を上手にあしらったフェミニンなカジュアルウォッチ(無論カジュアルだけでなくTPOは幅広い)という印象であったが、2010年モデルは完全にパーティ等に用いる様な宝飾時計であろう。黒のサテンストラップが選ばれ、似合っているのもその為であろう。
以上の点から旧作と新作は同じWomen Saint-Valentin Seriesで有りながら、別物と感じるのだ。
これらの路線変更がBLANCPAINにとってプラスになるかどうかは解らないが・・私には残念でならないのだ。
話は変わって、「バレンタイン3」の投稿の様に、BLANCPAIN以外に「CHAUMET」のバレンタイン限定モデルも紹介しようと思う。(因みに「JAQUET DROZ」の今年のバレンタインモデルの情報は入っていない。)
CHAUMETは2009年クリスマスには「Liens de CHAUMET」の限定ペンダントを販売していたが、素材が通常のモデルと違うだけだったのでこのブログでは改めて取り上げなかった。しかし今年のバレンタイン限定は「Attrape-moi」でなかなかキュートだ。(画像2)
「某宝飾時計店8」の投稿で述べた嫁の購入した2008年のクリスマス限定Attrape-moiと近いデザインである。18KPG蜘蛛の巣が、ハート型になって、ダイヤモンドがセッティングされている。
Attrape-moiの「私を捕まえて」という意味を込めた蜘蛛の巣のデザインをバレンタインモデルとしてハートにアレンジした事で人気を博すのではないかと思う。2009年のバレンタインモデルは市場に余り出回らなかったそうだが、今年は、ブティック以外でも結構展示されている模様。蜂は、ロードライトガーネットとダイヤモンドで作られる。価格は\330,750。
また、同じくAttrape-moiのバレンタインウォッチも同時に発売。(画像3)
クォーツで、径23mmの18KWGケースにベゼルとラグにはダイヤモンドをセット、文字盤にはMOPと12時位置にハート型のロードライトガーネットを用いた。ペンダントと同じ18KPGとロードライトガーネット、ダイヤモンドで構成される蜂が留まっている。赤いリザードストラップがバレンタインモデルらしさを醸し出している。今年のBLANCPAINより従来のBLANCPAINのバレンタインモデルに近い雰囲気を感じる。
価格は\2,877,000。Attrape-moiのジュエリーウォッチは安いモノで300万からが相場なので、少々御買い得とも言える。
今回紹介した中で、やはり一番オススメなのは、何といってもAttrape-moiのペンダントだろう。もし嫁が2008年のクリスマス限定ペンダントを購入していなかったなら、今回のバレンタイン限定ペンダントを購入したかもしれない。
BLANCPAINはそうそう売れる価格ではないと思うし、CHAUMETもホワイトデーも含めた限定という事で当分は購入が可能な筈だ。気に入った方は是非自分に、恋人にプレゼントして頂きたい。