イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

久しぶりに我が家の時計について。
今回は不具合について述べてみようと思う。

「時計16」の投稿では、嫁の時計である「Breguet」の「CLASSIQUE 8067」は、針が滑る状態に陥った。修理から返ってきてからは、今のところ不具合は発生していない。
よく「Breguetは繊細で故障が多い」と聞く。私は文字盤やケース、ハンド等は繊細な作りだと確かに思うが、ムーブメントに関してはかなり正統な作りだと思うのだ。(「Lemania」や「Frédéric Piguet」が手掛けているムーブメントがベースである。)
無論「ROLEX」の様な、機械式で実用に主眼を置いた頑丈な時計と比べるとそれは、繊細という表現になるかもしれない。(ムーブメントにしても同様である。)

しかし、落としたりといった根本的な故障原因以外では、それ程故障頻度は、ムーブメントの複雑さに由来する部分が多い様に思う。
我が家のBreguetは、私の「TRADITION 7027」も、弟の「CLASSIQUE 5907」も、そして嫁のCLASSIQUE 8067も全てシンプルで、Breguetでは一番購入し易い価格帯の時計である。300万を超えて始めるとコンプリケーション、つまり複雑な機構が加わってくる。
どんなモノでもそうだが、複雑なモノ程、故障は当然多くなる。稼動する箇所が多くなるからだ。それを逆にアプローチした時計が、「PHILIPPE DUFOUR」の「Simplicity」で、最もパーツの少ない時計として誕生した。そのパーツの仕上げは凄まじく、故障し難く数世紀に渡って動き続けるであろう時計である。
シンプルな時計ながら、最終ロットの販売価格は\4,578,000とコンプリケーション並みの値段であった。(画像1、2。画像2は、ムーブメントの拡大。面取り等の驚異的な仕上げを見る事が出来る。)

話が少々ずれてしまったが、要するに、我が家で購入出来る程度のBreguetなら、それ程頻繁に故障する事は無いという事だ。TRADITION 7027とCLASSIQUE 5907は、現在も全く問題無い。


では、プチコンプリケーションと言われる「PATEK PHILIPPE」の「Nautilus 5712/1A」や、トリプルレトログラードを採用した「PIERRE KUNZ」の「CUPIDON」はやはり故障が多いのか?

先に結論を述べると、どちらも故障というレベルの問題は発生していない。しかし、多少の不具合は発生しているのだ。

まずはCUPIDONだが、ディプロイメントバックルの不具合である。バックルで稼動する部分を固定しているネジが緩み易いのだ。(画像3、赤丸のネジが、→の部分が動く事で緩んでくる。)一度自分でネジを締めたがドライバーでバックルにキズを付けてしまったし、また直ぐに緩んできた。地元の時計店に持ち込んで、締め直して貰い、更に緩み止め剤を塗布して貰ったが、やはり動く部分は緩み易いとの事だ。このディプロイメントバックルは使い辛い為(「時計11-2」の投稿参照)元々余り気に入ってはいなかったのだが、このような不具合が有ると更にその気持ちは強くなる。時計本体には非常に満足しているので、ディプロイメントバックルは、是非とも満足出来るモノを新しく作って貰いたい。

Nautilus 5712/1Aは、よく判らないのだが、時計が1度だけ停止した事が有る。
機械式時計は、ゼンマイを巻き、その解ける力で動くのだが、Nautilus 5712/1Aにはパワーリザーブインジケーターという、ゼンマイの力の残量を示すゲージが付いているのだ。自動車の燃料計だと思って頂くと解り易いだろう。
Nautilus 5712/1Aは、ゼンマイが最大まで巻上げられていれば約48時間動くのだが、残り30時間程で止まっていた。残りが有るという事は、ゼンマイの力はまだ30時間動く分が蓄えられており、解け切っていない筈だが・・
因みにこの状態は、身に付けていた後に外して置いておき、翌日に使おうとして気付いた。つまり、身に付けて衝撃等で停止したのではなく、何故か自然に停止したのだ。
一応、地元の時計店でも聞いてみたが、偶々歯車の噛み合わせ等で止まったのか、故障かは解らない、原因もよく判らないとの事。暫く様子を見て、また止まる事が有れば、一度点検して貰った方が良いとの回答を頂いた。
私以外に、ゼンマイが解け切っていない状態で、時計が停止した方がおられるなら、是非状況や異常個所を教えて頂けると助かる。(勿論、OHせずに、オイル切れで時計が止まった等は問題外だ。)

これからも永い付き合いになるであろう時計なので、小さな異常も見逃さない様にしていきたいと思った。