私のブログでは珍しいアメリカのブランドである。
1948年に創立したFisher。この名を有名にしたのが1968年に「SPACE PEN」と言われるボールペンを開発した事に因るものが大きい。
SPACE PENは無重力下でも使用出来るボールペンとして認められ、以後、NASAのスペースミッションには必ずこのSPACE PENが用いられているとの事である。
では、SPACE PENと通常のボールペンとはどう違うのか?
通常のボールペンは、重力によってインクがペン先、つまりボールへ落ちていく。これによって筆記が可能になるのだが、実は致命的な欠点が有る。
重力によってインクが落下しない書き方をすると、ボールとインクの隙間に空気が入り、書けなくなってしまうのだ。つまりは、壁に書いたり、天井に向けて書いたりといった筆記を行うとボールペンは使えなくなってしまう。また速記した場合等も同様に、インクとボールの間に切れ目が出来てしまうと使えなくなる。
こうなってしまうと再び使用する事は難しい。巷では様々なボールペン復活技が取り上げられているが実際はどうだろうか?多分直ぐに駄目になると思う。
SPACE PENは、その点を改良し、インクが入っているカートリッジ内を窒素ガスで加圧した。加圧によって、常にインクがどの角度で筆記しても送られてくるため、壁等の側面や天井等の逆さで使用してもインク切れが起こらない。更に、無重力下でも筆記が可能なボールペンが生まれたのだ。(尤も、実際に宇宙で使用する際は加圧量やインクの質、カートリッジの耐久性等も検証したと思うが。)
要するにこれが、最近では良く見掛ける様になった「加圧式」ボールペンの元祖である。
今回紹介する「.375 BULLET PEN」は、SPACE PENの性能にデザインがプラスされた面白いボールペンである。なんと弾丸にそっくりなのだ。(画像1)
このペンには、「HOLLAND&HOLLAND」で製作された.357 Magnum(画像2)の本物の薬莢を使用している。.357とは0.357inch。(約9.5mm)このサイズにぴったり合うサイズの真鍮のペンを作製、ラッカーで仕上げ、見た目が弾丸その物に見えるのも納得だ。
元々、SPACE PENには「BULLET PEN」という弾丸を彷彿とさせる流線型のシリーズが在ったのだが、それを本物の薬莢と組み合わせ巧く昇華させたモデルがこの.375 BULLET PENである。
本物の薬莢を使用しているという点が、ミリタリー等が好きな男性の心を捉えるのかもしれない。
勿論SPACE PENなので使い勝手も良いだろう。傷が付いても味になりそうなペンだと思う。
\4,200と私のブログ内では求め易い価格である。
貴方も、.375 BULLET PENをデスクに忍ばせてみてはどうだろう?話題と性能、どちらにも満足出来る筈だ。そして、このペンを片手に、銃による犯罪が少しでも無くなる様、願って頂きたい。