富山と岐阜県を結ぶ道は国道41号線となっており、船津北という交差点がら奥飛騨温泉郷までは国道471号線を走る。
その間に神岡町を通過するのだ。「温泉旅行」の投稿でも述べた「スーパーカミオカンデ」で有名な町である。
今回の旅行では、このスーパーカミオカンデに因んだ道の駅である「宙ドーム神岡」に立ち寄った。宙ドームと書き「スカイドーム」と呼ぶ。(因みにガンダムでは、宇宙と書いて「そら」と呼ぶ。)
メインは道の駅そのもので、「さるぼぼ」や「朴葉味噌」等飛騨の特産品が販売されており、トイレや食事処といった施設も充実している。非常に立ち寄り易い休憩所だ。
しかし、特筆するのはスーパーカミオカンデを体験出来る施設を設けて有るという事だ。「ニュートリノコーナー」である。
簡単にスーパーカミオカンデとニュートリノについて説明したいと思う。
スーパーカミオカンデは岐阜県飛騨市神岡町の神岡鉱山内に、1991年より建設を開始し1996年から稼動を開始した大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測施設である。
ノーベル物理学賞受賞者である小柴昌俊氏は、スーパーカミオカンデの前身である「カミオカンデ」を用いて超新星からのニュートリノを初めて検出した事で知られる。
ニュートリノはレプトンと呼ばれる素粒子のひとつである。
そして素粒子は、物質を構成する最小の単位である。即ち、素粒子を構成する物が無く、それより小さな存在が無いという事でもある。(詳しくは割愛する。というか私も解らない。)
カミオカンデ等の実験によって少しずつ明らかになってきた。
初めは0と言われた質量が、実験では振動によって質量が極小ではあるが存在するという結論に至っている。しかし、実際の質量値は研究途上らしい。
強い相互作用と電磁相互作用が無く、弱い相互作用と重力相互作用でしか反応しない。 そして質量が非常に小さいため、重力相互作用も殆ど反応しない。
また透過性が非常に高い等といった特徴が有る。
そして大気中や太陽から検出されたニュートリノによって、スーパーノヴァやビッグバン発生時に多量のニュートリノを検出したのではないかという説が生まれ、最終的には宇宙や星の誕生に至る重大な研究と考えられている。
さて、透過性が高いと言われるニュートリノだが、地球自体を楽に透過してしまう位らしい。当然人間も透過している。全く気付いていないが、
1秒間に1c屬糧楼呂鯡鵤僑娃芦個という数のニュートリノが透過しているという。
そんな透過性の高いニュートリノを(主に)検出する為の施設がスーパーカミオカンデである。
ニュートリノの衝突を検出するには、超純水を用いる。施設内部には超純水がためられており、ニュートリノが水の中の電子に衝突した後に、高速で移動する電子より放出されるチェレンコフ光を、壁面に備え付けられた光電子増倍管で検出するという仕組みとの事だが、さっぱりだ。
巧く説明出来ないがこんな存在である。無限に広がる宇宙を解き明かす為にミクロ(単位的には更に小さいが)の宇宙を解き明かしている様なモノかもしれない。時計好きの私からすると、宇宙の「公転」までを指し示す機械式時計のムーブメントに近い印象を受ける。
こういった内容を多少なりとも解り易く説明してくれるのが、この宙ドーム神岡のニュートリノコーナーだと思って頂きたい。
スーパーカミオカンデの施設のレプリカや、学習用ディスプレイによる解説、大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置模型、宇宙で実験に使用されたメダカ等が展示されている。解らないながらも壮大な宇宙の浪漫に想いを馳せる事が出来た。
画像は、
スーパーカミオカンデ・レプリカ
大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置模型
光電子倍増管
である。十分に楽しめた道の駅だった。